自動運転を見据えたデンソーの2系統電動パワステとは?【人とくるまのテクノロジー展16】

デンソーが「人とくるまのテクノロジー展」で展示していた2系統EPS(EPS=電動パワーステアリング)は、電子回路もモーター巻線も文字どおり2系統持っていて、たとえば自動運転の際に何らかのトラブルが起きても1系統生きていることで、パワーアシストが失われることなくステアリング操作が可能というもの。

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じつは、すでにトヨタ・アルファード/ヴェルファイアなどに搭載され、2015年から量産化しています。

自動運転車両でなくても万一、EPSに問題があり「重ステ」になると、たいていの人はパニックになるはずで、速度域が高かったり、交差点だったりすると重大な事故に直面する可能性があります。

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自動運転のシーンでは、従来の1系統EPSだとステアリング操作ができず「自動運転停止」となってしまい、しかも手動運転に切り替えできたとしても「重ステ」状態ですから先述した状況に陥るかもしれません。

2系統ならハーフアシストで自動運転が継続できるほか、アシスト力50%のハーフアシスト状態で手動運転に切り替えることができます。たとえ異常があっても一定期間機能が失われない、「フェイルオペレーション」が用意されているわけです。

私も体験してみましたが、アシストがゼロになると急に重くなり、ハーフアシストでもアリ、ナシには大きな差があります。自動運転というとセンシングの面などに注目が集まりがちですが、すでに採用されている技術の底上げも不可欠なのが分かります。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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