ボルボがスタートさせる公道での自動運転実験の野心的な狙いとは?

ボルボは、2017年にロンドンにおいて、英国史上で最も野心的な自動運転実験を開始すると発表しました。。

この実験は「自動車事故の大幅な減少と渋滞からの開放、そして運転者の貴重な時間の節約を実現する自動運転技術の導入速度を加速させるべく実施」するという、「野心的」と表現するのにふさわしい目的が掲げられています。

Autonomous driving

ボルボのイギリスでの実証実験は「Drive me London」と呼ばれ、ほかの自動運転実験とは、一般のドライバーも自動運転車を公道で使用するという点で一線を画しています。

この実証実験により、一般の参加モニターが日常使いをする自動運転車からデータを収集。クローズドのテストコースで行われる非現実的なテストとは全く異なる実際の道路環境にマッチした自動運転車の開発に活用する予定です。

Volvo XC90 Drive Me

また、ロンドンの保険産業の研究機関であるサッチャムが、技術データの分析と実験の一部として必要な各種のプロテストドライバーを提供します。

なぜ、保険産業の研究機関が絡んでいるのでしょうか。

これは、オートブレーキの導入により保険料金のレートが引き下げられているイギリスでは、自動運転の分野でもこうした保険の研究機関の分析は不可欠なのだと思われます。

この「Drive me London」は、2017年初頭から限られた数の半自動運転車から始まり、2018年には自動運転車100台を含むレベルまで拡大する予定。

英国の交通史上、最も大掛かりな自動運転の実証実験となるそうです。

IntelliSafe Auto Pilot interface

現在、事故の約90%はドライバーのミスや注意散漫で起きているそうですが、自動運転技術によりそのほとんどを防ぐことが可能となります。

ほかにも混雑や渋滞の解消、ドライバーの運転時間からの解放など、自動運転により得られる効果はいくつもあげられます。遠い未来の話ではなく、課題は数多くありながらも段階を踏みながら実現に向けて近づいているようです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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