普段は通勤や買い物に使いたいし、家族と共有もしている。だからといって愛車でサーキットを走ることを諦めちゃいけません。多種多様なニーズを全方位的に満たしたスポーツラジアルタイヤ。グッドイヤーの「EAGLE RS Sport S-SPEC」があれば鬼に金棒。86/BRZ乗りじゃなくても必見の銘柄です。
あのAE86(ハチロク)の名を受け継いだFRスポーツカーであり、開発にはスバルも協力したことから世のスバリスト達も巻き込んで一躍話題に。そんなトヨタ86/スバルBRZも気が付けばデビューから早4年あまり。マイナーチェンジが目前に控える今ですが、マイナー云々を問わずその魅力、決して色褪せていません。
絶対的な出力性能よりも、クルマと意志疎通できるコントロール性の高さは特筆モノ。だったらその魅力をより深く味わおうと、あるいは運転技能を鍛えようとサーキットへ挑もうとするとき、考えるべきはタイヤです。最初は純正装着タイヤでもまったく問題ないでしょう。しかし慣れてきてその先の世界が見たいと思ったとき、もちろん消耗して交換に迫られた時も、次はぜひハイグリップ・ラジアルへ挑戦したいものです。
なにしろ日本は世界でも類をみないタイヤ大国。世界最高峰のモータースポーツカテゴリーの最前線で熾烈なタイヤ競争を繰り広げているかたわら、平日は通勤や買い物で街中を走り、週末はサーキットへ繰り出すようなクラブマン達のことも決して忘れない。なかでも注目は86専用モデルまで造っちゃうほど86/BRZに力を注ぐのがグッドイヤーです。
上記のようなニーズに焦点を当てたタイヤが、プレミアム&スポーツ路線を貫くEAGLE(イーグル)シリーズにあって、もっともスポーツ性能へ振った「EAGLE RS Sport S-SPEC」。堂々とストリートを流せる公道用タイヤでありながらも、「闘うタイヤのスピリットを凝縮」というキャッチコピーにあるように、モータースポーツユースを見越したラジアルタイヤです。ちなみに先に述べた86専用モデルとは「EAGLE RS Sport 86 S-SPEC」で、コチラは17~18インチが用意されています。
EAGLE RS Sport S-SPECの真価は、朝イチ、ガレージからクルマを連れ出した時から体感できます。タイヤが冷えた状態で表面温度が低くても、路面を鷲掴みにしているかのような安心感の高さを感じられます。グリップ強化剤の配合に工夫を重ね、低温時からきっちりとグリップ力を発揮させるよう仕立ててあるそうです。セミスリックタイヤに匹敵するトレッド面積と高剛性ブロックを持ちながらも、スラントグループという大きく太い溝が設けられているので排水性が高く、低温でのグリップと相まって雨天時でも安心。特に「ウェット路面は得意」と、このタイヤで闘うワンメイクレースであるヴィッツレースを経験するドライバー達は口を揃えます。この使い勝手の良さって、とても重要。どんな環境下でも気兼ねなく連れ出せるほか、一家に一台で家族と共有しているようなユーザーにとっては特に心強いでしょう。
また、この手のハイグリップ・ラジアルにしては、拍子抜けするほど静かでアタリも柔らかく、気苦労を感じさないパッケージも魅力。これなら遠方のサーキットへもストレスなく繰り出せるし、日常でご家族から不満の声が出ることもなさそうです。
「S-SPECになる前の、RS Sportの頃から我々は、自走でサーキットへ行ってコースを走って自走で帰ってくることを念頭に置いた開発を続けてきました。もちろん普段は通勤や買い物に使っても不満のないタイヤです。ストリートでは、どういう方がどういうクルマで、どういう路面状況下で走るか分からない。いかなる条件でもあっても高い性能を持たせることが重要だと考えました」と、現役レーシングドライバーでありEAGLE RS Sport系銘柄の開発に深く携わってきた田ヶ原章蔵さんは言います。彼の言葉にあるように、グッドイヤーは一部のトップチームだけじゃなく、お小遣いを貯めてスポーツカーを手に入れ、休日に走りを楽しむユーザーの気持ちを大切にしています。
では、本領発揮の部分。しっかりと熱を入れた状態でのドライグリップ力はどうでしょうか。グリップ力の絶対値はラジアルタイヤとしては文句ナシ。なにより縦方向と横方向のグリップ力のバランスが良く、とても扱いやすい。四輪すべてがグリップしている感覚、あるいは滑り出す感覚を掴みやすく、運転がさらに楽しくなりそう。その性能が持続するのもいいところ。連続周回しても安定したグリップ力を維持するのです。
「今までのRS Sportは、一発のタイムはいいけれど、周回を重ねるに連れて、熱ダレなどの影響でグリップ力が変化してしまう側面がありました。そこでサーキットレンジでの剛性感を突き詰めることで、安定した周回を可能としました」とは自らで数え切れないほど走ってきた田ヶ原さん。その仕上がりにはとても満足そうです。
たとえレースには出なくても、タイヤ側で安定したグリップ力をキープしてくれれば、ドライバーは純粋に運転と向き合うことができるし、なにより連続周回できるので練習量が増えます。ドライバーのスキルアップにとっても格好のタイヤです。
「ストリートでは適正空気圧を維持して頂いて、サーキットでは自分なりに空気圧を調整して、挙動の変化を楽しむ。空気圧設定そのものをセッティングツールとして楽しんでみてください。このタイヤはそれに充分に応えられるだけの性能を持っています」と、田ヶ原さんはRS Sport S-SPECの魅力を締め括ってくれました。
なお、86/BRZ向けのRS Sport 86 S-SPECは、86/BRZの特筆点であるコントロール性を重視。タイヤグリップが勝ちすぎないような専用構造およびサイズ設定だといいます。考えてみれば「休日に走りを楽しむクラブマンのため」というコンセプトは、86/BRZ、RS Sport S-SPECともに同じ。だからこそ、こうした密なコラボレーションが実現したのです。
とはいえ、RS Sport S-SPEC自体のサイズラインナップは14~18インチと幅広い。86/BRZのためだけにしておくのはもったいない。RS Sport S-SPECによって、より活き活きと走るようになるクルマは、もしかしたらアナタの愛車かもしれません。
(文:中三川 大地/写真:市 健治)
日本グッドイヤー株式会社
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EAGLE RS Sport S-SPEC 製品ページ
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