日立造船は、硫化物系固体電解質を使用し、従来の電解液が不要な全固体リチウムイオン二次電池を開発。3月2日(水)~4日(金)に東京ビッグサイトで開催された国際二次電池展に新開発の全固体リチウムイオン二次電池を出展しました。
同社ではこの全固体リチウムイオン二次電池が、従来の電解液系リチウムイオン二次電池と同等の性能を発揮することを確認している、ということです。
現在、HV車やEVに使用されているリチウムイオン二次電池は電池内部が電解液で満たされており、電解液中をリチウムイオンが行き来することにより充放電する仕組ですが、電解液として有機材料を使用しているため、耐久性や安全性に課題を抱えています。
自動車業界でも、トヨタは豊田中央技術研究所内に電池を専門に研究する部署を設けて、次世代の二次電池開発に注力しています。
今回、日立造船が開発した全固体リチウムイオン二次電池の主な特長は次の4点です。
1.大気圧下での充放電が可能
2.外形のフラット化により積層が可能
3.広い温度環境で使用可能
4.長寿命
日立造船は、すでに100mm×100mm×厚さ0.3mm(電池パッケージを含まず)の薄膜電池を試作しており、電池の評価についてはホンダ系の本田技術研究所をはじめ、複数の企業と協力関係が始まっているようです。
自動車業界にとどまらず、次世代の二次電池として期待される全固体リチウム二次電池。その実用化に注目が集まっています。
(山内 博・画像:日立造船)