つづいて、新千歳モーターランドの特設雪上コースでインプレッサ・スポーツを、周囲の一般道にてインプレッサ・スポーツ・ハイブリッドを試すことができました。
AWDシステムが、WRX STIのDCCD、WRX S4やレヴォーグのVTD-AWDと異なり、フロントの駆動配分を多めにしたACT(アクティブトルクスプリット)方式というのもありますが、シャシーも含めて車両全体で操作に対する余裕がありました。
たとえば途中からアイスバーンに路面が変化するようなコーナーでも、ゆっくりと対処できます。いい意味で緊張せずに運転できるのは、雪道に慣れていないドライバーとしては好感触だったのです。
かなり舗装が見えていて、だからこそコンディション(路面のグリップ感)が変化している一般道でも、そうした乗りやすさというのは安心感につながります。ワダチが深めの特設コースではロードクリアランスの豊富なSUV系の有利さを感じましたが、一般道では乗用系モデルで問題を感じることもありません。
グリップが低く変化しやすい路面では、ハイブリッドの回生ブレーキ量の変化も気になるポイントです。しかし、トランスミッション内にモーターを配置、四輪からバランスよく減速エネルギーを回生するスバル独自のハイブリッドAWDは、ハイブリッドゆえのネガをまったく感じさせないものでした。
また、加速していくときも、ずっとリアが駆動しているというのは十分に伝わってくるもので、安心感につながります。いまどきのスタッドレスタイヤを履いていれば、二輪駆動でも問題なく走れるシチュエーションだとはわかっていても、そこはかとない安心感はAWDの大いなるアドバンテージ。
だからこそスバルはラインナップのほとんどをAWDにしているのだ、と納得できたのです。
●スバル インプレッサスポーツ ハイブリッド2.0i-S EyeSight 主要スペック
車両型式:DAA-GPE
全長:4420mm
全幅:1755mm
全高:1490mm
ホイールベース:2645mm
車両重量:1500kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒
総排気量:1995cc
最高出力:110kW(150PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4200rpm
モーター型式:MA1
モーター形式:三相交流同期電動機
モーター最高出力:10kW(13.6PS)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kg-m)
変速装置:CVT
燃料消費率:20.4km/L (JC08モード)
メーカー希望小売価格:263万5200円(消費税込)
(写真提供:富士重工業/撮影・文:山本晋也)