千代勝正選手が挑戦者としての栄誉!FAUST A.Gアワードを受賞!

12月7日、東京・代官山のシアター・サイバードで「ファウストA.G.アワード2015」の授賞式が開催され、千代勝正選手がファウスト・チャレンジャー・オブ・ザ・イヤー”(ファウスト挑戦者賞)を受賞しました。

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千代勝正選手は、2015年シーズンのヨーロッパを中心に開催されたブランパン耐久シリーズの日本人初シリーズチャンピオン、オーストラリアのバサースト12時間を総合優勝。それが受賞の対象となりました。

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海外の自動車レースで日本人が話題になることはフォーミュラーレース、特にF1以外ほとんど無く、またシリーズチャンピオンともなるときわめて稀。そこに日産GT-Rで乗り込んでいった千代勝正選手のチャレンジが評価されたカタチでの受賞です。

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言葉の壁、食べ物、風習、時差。乗り越えなくてはならないことが山積みの海外遠征。しかし、それを乗り越えチームをシリーズチャンピオンへと導いていったことは、挑戦以外のなにものでもありません。

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千代選手曰く、「このような賞を頂くことができ、大変光栄に思います。今年参戦したブランパン耐久シリーズは、ヨーロッパのGTレースとして最も過酷なシリーズ。世界中のメーカーがワークス参加しているシリーズで、日本代表としてニッサンGT-Rで総合優勝することができたことは、とても嬉しく思います」。

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そして、なによりすごいのはブランパン耐久シリーズに出場しながら、日本のSUPER GTでもGAINER TANAX GT-Rで出場し、このマシンもシリーズチャンピオンに導いたこと。

途中の数戦はブランパンシリーズとスケジュールがぶつかり代打で富田竜一郎選手が走ってはいますが、ドライバーズポイントでも2位。実際的には千代選手がいなければGAINER TANAX GT-Rのチームチャンピオンは無かったとも言えるでしょう。

受賞の対象は海外レースですが、海外と日本でシームレスに活動するという挑戦もまた受賞につながったといえます。

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この「ファウストA.G.アワード2015」は、モータースポーツの表彰ではなく挑戦、冒険、社会貢献をテーマにした表彰で、社会貢献活動を称える“ファウスト・ソーシャル・コントリビューター・オブ・ザ・イヤー”には殺処分ゼロを目指し、里親探しや使役犬の育成を行っているピースウィンズ・ジャパンと災害救助犬の『夢之丞(ゆめのすけ)』に、冒険を称える“ファウスト・アドベンチャラー・オブ・ザ・イヤー”には親子2代に渡り日本の熱気球競技界を牽引、世界一に登り詰めた藤田昌彦、藤田雄大の両氏親子と、世界初の天然本藍染め革『SUKUMO Leather』を開発した堀井誠氏に贈られました。

また大賞の“ファウスト・オブ・ザ・イヤー”は、今年5月に初めて日本でも開催された世界最大規模のチャリティランニングイベント『Wings for Life World Run』に贈られています。

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プレゼンターを務めた片山右京氏は、筆者とのインタビューの冒頭に「息子です、よろしく」と千代選手の肩を抱きかかえ、カート時代の前から彼を知る片山右京氏らしい喜びの表現を見せてくれました。

その片山氏曰く「モータースポーツの中の世界では、海外で活躍することのすごさは認められているのですが、その外に出ると全く知られていないのが実情です。だからこそ彼のようなモータースポーツの外の世界からの表彰は、本当に快挙だといっていいのです」

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千代選手は筆者のインタビューに「熱気球で世界に打って出ている方や災害救助で貢献されている方々と同席の表彰を受けることが出来るなんて、本当に良かったと思います。日本とヨーロッパの両方を走ることに無謀という意見もありましたが、本当にやり遂げることが出来て、両方のチーム、関係者、そして僕を支えていただいた全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです」

日本とヨーロッパの両方でシリーズ参戦し、その両方をチャンピオンに導いた偉業はまさにチャレンジのなにものでもないでしょう。そしてシーズン初頭のバサースト12時間を含め、千代選手はFIA-GT3カテゴリーで世界を相手に三冠王となったのです。

(写真:ブランパン耐久シリーズ=大西幸仁 その他=松永和浩 文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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