この発想のポイントは、ヘッドユニットとスピーカーの交換と取り付け時の設定だけで車両に完全にマッチしたシステムが構築できること。専門ショップの門をくぐるのとは違ってお手軽だし、ディーラーオプションだから気軽に、設定のある車種であれば購入後でも装着できるのだから手を出しやすいですよね。
目指したのは「原音に忠実な音」。実際に聴いてみると、スピーカー交換による豊かな音に加えて、前方定位がハッキリしたことに驚きました。まるでコンサートホールでステージから流れてくる音を聴いているかのような、音源の位置が明確で臨場感が高まるのです。まるで演奏者がボンネットの上にいるような感覚。ボクの好きな女性ボーカル系の曲を流せば、目の前で歌ってくれているかのようです。
「音の匠」はスイッチでオン/オフできるので試してみました。興味本位でオフにしてみると、音ががいろんな方向から聞こえてきてなんだか喧騒の中で音楽を聴いているみたい。オンとの差に驚きました。臨場感が全然違います。セッティングって大事ですね。そして、こうやって音の変化を試してみると、交換したメリットを実感できるのもおもしろい。
ヘッドユニットとスピーカーのメーカーが別なのも興味深いところ。ホンダアクセスがその組み合わせでマッチングが取れるようにチューニングしているのだそうです。スピーカーはアルパイン製の「DDリニア」ですが、コンセプトにあわせて一般的な市販モデルとは別設計。ボイスコイル、ハイパスフィルターに専用チューニングが施され、アルミダイキャストフレームの形状も異なります。また、取り付けるバッフルも素材から専用に作られているとこだわりは細部まで及ぶ。
そしてホンダアクセスの太っ腹さが如実に表れているのが、この「音の匠」が上級ナビだけでなく消費税込み16万5240円と中級価格帯である「スタンダードモデル」にまで組み込まれていること。この機能が組み込まれているナビだからといって特別高いわけではないのです。そこに、3万240円~4万4280円(車種ごとに異なる)のスピーカーを追加すれば完成する、なんとも気軽でハイクオリティなサウンドシステム。
ナビ代+4万円前後のスピーカー(+取り付け費)で構築できるのからコスパの高さはかなりのもの。適合車種はステップワゴンやN-ONEをはじめフィット、フリード、Nボックスなど17車種。ホンダ車を買う時には、要チェックです。
■ホンダアクセス 「音の匠」×ハイグレードスピーカーシステム
http://www.honda.co.jp/navi/takumi/
(工藤貴宏)