米国高速道路安全保険協会(IIHS)は9月11日、バージニア州ラッカーズビル(Ruckersville)の試験場の拡充を発表しました。
IIHSは、アメリカの保険業界が設立した非営利団体で、自動車事故全般についての調査研究能力に定評があります。
ラッカーズビルの試験場は主に衝突実験を行う施設として知られていますが、今回の拡充では、布張りの屋根を備えた全天候型の試験走路が新設されたことが特筆されます。
この全天候試験走路は、特に自動ブレーキの性能を検証する際に晴天や雨天など、路面の状態を任意に設定することができ、性能試験の能率が大幅に向上することが期待できます。
今回の拡充に要した投資額は3000万米ドルで、主にIIHSに加盟する保険会社が拠出した模様です。屋根付きの全天候型試験走路の面積は5エーカー(約2万240平方メートル)で、同走路を含めて全試験走路の面積は計15エーカー(約6万710平方メートル)に拡張されました。
注目される屋根付き走路は、18個のコンクリート橋脚に鉄骨で補強された6枚の繊維製パネルを設けた構造で、米国でも最大級の布で覆われた構造物であるということです。
IIHSのエイドリアンルンド氏は次のように述べています。
今、私たちは最初の場所で発生するクラッシュを防止することが可能な技術に焦点を当てたエキサイティングな新しいフェーズに入っている
今回、拡充された機能を使用すると、IIHSは、より迅速に衝突事故死傷者ゼロの目標に到達することを約束する新機能を評価することができます。
(山内 博)