ジャガーXEはフットワークと乗り心地を見事に両立!

さて、前置きが長くなりましたが、同ブランド初のFFであったジャガーXタイプがフォードのソリューションを活用した(せざる終えなかった?)という事情があったとはいえ、再挑戦となる今度のジャガーXEは、成功するため上記の方程式を守り、直球ど真ん中で勝負しています。

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最初に投入されたガソリンエンジンは、200ps/280Nmの2.0L、同じ2.0Lながら240ps/340Nmを誇る仕様、そしてジャガーFタイプにも搭載されている3.0LのV6があり、こちらは340ps/450Nmというアウトプット。

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最も売れそうな200ps/280Nmの2.0L版でも、同排気量のライバルと比べてもパワフルなのは数値だけでなく、十分に体感できるもので、箱根の山でも難なくグイグイと加速していきます。

ハンドリングもBMW3シリーズのような分かりやすい切れ味(ある意味で人工甘味料的な)ではないものの、タイトなコーナーでもボディコントロールは容易で、しかもノーズが軽いですから次のコーナーが待ち遠しいほど軽快なフットワークを備えています。

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ダンピングの効いた乗り味は、微振動もよく抑えられていて乗り心地も十分に快適といえるもの。ただし、かつてのジャガーのようなゆったりしたものではなく、いわゆる旦那仕様ではありません。

ジャガーに限らず、レクサスも日産もキャデラックもこのクラスはスポーティな走りを披露しなくては振り向いてくれないのは分かっていますから、俊敏性がありながら独自性のある乗り味を作り上げるのは容易ではないでしょう。

しかし、上級セグメントで採用されるインテグラル式リヤサスペンションをはじめ、軽くて硬さも感じさせるアルミ中心のモノコックボディはサイズ以上に小さく感じさせる走りっぷりですから再挑戦の名刺代わりとしては十分な仕上がり。

トルクフルなディーゼルも控えていますから、ジャガーXEがこのクラスで十分な輝きを放っているのは最も出力が控えめな200ps版の2.0Lモデルでも確認できました。

■ライバルはCクラスや3シリーズ! ジャガーXEとはどんなモデルなのか?
https://clicccar.com/2015/08/22/322456/

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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