最近の「ジャガー」は、かつてのクラシックな雰囲気を薄めてクール&スタイリッシュな路線へとイメージチェンジを行なったとはいえ、ジャガー=“上品なオジさん向けの高級車”というイメージは依然として強烈で、実際に「XE」を見るまでは一抹の不安がありました。
ところが、目の前に佇む「XE」のルックスはジャガーの新世代モデルの中でもスポーツカー「Fタイプ」に次ぐほど若々しい。
獲物を狙い澄ましているような鋭い眼光や、シャープで伸びやかなフロントとグッと力感が詰まったリヤが合わさった躍動感あふれるスタイリング。ボディサイズも4680×1850×1415mmと大き過ぎないのもポイントで、獲物にとびかからんとする際に身体にグッと力を溜めているかのよう。このエネルギッシュなルックスはむしろ若者が乗ってこそ絵になりそう。
早速乗り込むと、インテリアもこれまでとは雰囲気が違っています。
メタルやピアノブラックパネルの加飾が施されたインパネは、ブラックのカラーリングと相まってスタイリッシュな印象を強調。さらに、ダイヤル式シフトセレクターがせり上がってくるのも先進性を感じさせます。しかも夜間にインパネ周辺が鮮やかなブルーとレッドに光り輝く演出付き。
もちろん、高級車特有のボディを境界に内と外が完全に分け隔てられる感覚は健在で、明らかに大衆車では味わいない世界が広がっています。
この味を知ってしまったら……もう後戻りできませんね。例えるなら、良い電化製品に触れた後に、それまで使っていたモノでも問題が無いと思いつつも、どこかにモヤモヤが残る感じです。