その可愛さばかりに目がいってしまいますが、その見た目とは裏腹に「アルトラパン」の走りは想像以上にしっかりしています。
ベースとなったのは昨年末に登場した「アルト」。
形状を滑らかにすることで充分な剛性の確保と補強部品のカットによる軽量化を両立したという新開発プラットフォームの採用をはじめとした徹底的な軽量化が施された結果、650kgの車重と37.0km/Lという低燃費を達成。見事に結果にコミットした1台であります。
おそらく、そんな男性陣の陰ながらの努力があったからこそ、女子の細かな注文を詰め込んでも「アルトラパン」の車重は680kgと依然として軽量。ちなみに燃費は最良で35.6km/Lです。
エンジンについても低~中速での動力性能と燃費性能を向上させた改良型の「R06A型」が搭載されており、ターボやモーターで加速をアシストする「S-エネチャージ」に頼らなくてもクルマの動きはスムーズ。高速道路の追い越しでは、さすがに加速は鈍いものの、それ以外ではまったく力不足を感じさせません。
また、スズキの軽自動車は総じて足回りが上品。
「アルトラパン」も例に漏れず、路面からのショックを柔らかく受け止めるしなやかさがあり、キツめのコーナーでも車体の傾きをジワーッと感じさせるので、クルマの状態をイメージしやすく安心感があります。ちなみに、自動ブレーキは全グレードに標準装備されます。
カワイイだけでなく、しっかりとした実力も備えた「アルトラパン」。
メインターゲットは20~30代の女性ということですが、それこそ大学入学や就職を機に親が娘に買ってあげるのにもピッタリの一台でしょう。
オススメは、専用のダイヤ柄シートをはじめ、UV&IRカットガラスや「ナノイー」搭載フルオートエアコンという美容と健康にも配慮した装備が目白押しの最上級グレード「X(138万9960円)」。
軽自動車の人気が落ち着きつつある今だからこそ、購入の決め手となるひと工夫が欲しくなってきませんか?あとは、「アルトラパン」に男性目線を採り入れたモデルがあると面白いかも…
(今 総一郎)