V40のディーゼル仕様(試乗車はV40 D4 SE)は、スペックどおり非常にトルクフルで、260kgも重いSUVのXC60 D4 R-DESIGNからの乗り替えということもあって面食らうほどグイグイと速度を乗せていきます。
もちろん、XC60とはサイズも重量もまったく異なりますから、全身からフットワークの良さを感じます。
30kg重くなるというガソリン仕様のT5と乗り比べれば、フロントノーズの重さの違いなども感じられるのでしょうが、D4単体で乗るとほとんど分かりません。
急な登り坂でもアクセルを踏む量は少なくてすみますし、非常に楽ではありますが、街中では少しトルクとパワーを持てあますほどで、「エコプラス」スイッチを押して走っていても必要十分以上。
高速道路に入っても制限速度上限までは容易にあっという間に達しますし、そこから先もまだまだ加速を緩める気配はなさそうで、巡航時も楽々。100km/h巡航時は1500rpm程度で、それほどエンジン音も気にならないのも朗報です。
サーキット走行でもしない限り、ディーゼルの泣き所である高速域のパンチ力にも不満を抱くことはないでしょう。
メーターの燃費計では高速巡航時に15〜20km/L近くを示すこともあり、これで燃費もガソリン仕様よりも4割くらい向上するとなれば、ハイオクガソリンと軽油の価格差も大きいですし、25万円という車両の価格差を勘案してもディーゼルモデルを積極的に選びたいところです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)