1620kgの車両重量に対して、2.0L直列4気筒ツインスクロールターボによる184ps/5000rpm、270Nm/1250-4500rpmは、驚くほどパワフル、といった印象ではありません。
しかし、ZF製8速ATの仕上がりがスムーズなのはもちろん、適度にスポーティなフィーリングで余すことなくパワーを引き出してくれますから、首都高速のような曲がりくねった状況でもミズスマシのようにスイスイと走ってくれます。
それでも2シリーズ・クーペと比べると170kgも増えているため、先述したようにスムーズで速いけれど、思わずファイティングポーズを取って「走るぞ!」というような気はクーペモデルほどには起こりません。
それはオープエアを楽しむ際はむしろ好都合ですし、少し飛ばしたい時は20秒あれば屋根を閉じることができますから、これからの季節は避暑地までの高速道路はクローズドで、爽やかな高原地帯などに着いたら屋根を開け放てば、まさに1台で2度美味しいカブリオレの魅力を満喫できます。
気になるボディの剛性感ですが、カブリオレとしては驚くほど強靭ではないものの、決して緩くもないという感じで、トルクとパワーのフィーリングと似たような印象を抱きました。
(文/塚田勝弘)