ロードスター発表会に一般ユーザーを呼ぶトヨタとは違うマツダの戦略

新車の発表会というのは、一般に「記者発表」というように、マスメディアに載せるためのに執り行うのが一般的です。

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しかし、マツダはこのところ、記者発表とともに、一般ユーザーを呼ぶ発表会を行っています。

ロードスターの発表会場には、ロードスターだけでなく新世代SKYACTIVのマツダ車を作ったエンジニアやデザイナーが多数詰めかけ、進行役の竹岡圭さんによるトークショーだけでなく、直接ユーザーと接する機会を持ちます。

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通常、一般ユーザーに対しては、実際に直接のお客さんとなる各販売会社、ディーラーが窓口となるものです。マツダはなぜメーカー自らがユーザーと接するのでしょう。

NewRoadster_happyou_29マツダ広報本部の工藤本部長によると、「マツダという会社は、クルマそのものの魅力を感じてもらうしかない、と考えています。その魅力に共感してくれる人を増やしたり、エンジニアは接っすることでより良いクルマを作っていくのに有効な場だと感じています。派手なことをするわけでなく、タレントさんを呼ぶわけでもない、直球勝負でマツダの考え方、その考えでできたクルマ、そのクルマを作るエンジニアたちに共感してもらうユーザーさんに、マツダのことを選んでもらいたいというわけです。」

また、アテンザのチーフエンジニア、松岡主査によると、「こういったユーザーと接する場は非常に有効です。我々が日々正しいと思って開発を行っているのが本当に正しいのか、進んでる方向はあっているのか、確認することができて助かります」

お話を聞くに従い、他のメーカーではできないようなマツダだからできることに思えてきます。ただの道具として選ばれるならクルマ作りなら、このような試みは必要ないでしょう。

先日、トヨタと技術提携の方向へ調印したマツダですが、それについてマツダ公式Facebookには「取り込まれないで下さい」というファンの書き込みが多く見られました。

マツダ自身の魅力を持ったクルマ作りを続けていかないと、巨大メーカーとしても提携の意味がなくなるはずです。そのための「できること」としてユーザーとエンジニアの接点は、これからも続けていくべきであろう、と感じました。

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(clicccar編集長 小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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