雪上ドライブやオフロード走行も容易にこなすのはもちろんですが、都市に住み、オフタイムに天候や場所を気にせずアクティブに出かける層がメインユーザーと想定すると、オンロードでの走りが気になります。
フロントがマクファーソンストラット、リヤがインテグラル・インクというサスペンション形式はレンジローバー・イヴォークと変わりませんが、たっぷりとしたストロークを感じさせる乗り味はイヴォークよりも懐が深く、良好な路面なら当然ながら滑らかに滑走していきます。
フロントサスペンションには、油圧式リバウンドストップ機構が用意されている標準の足まわりは、路面によってはやや左右に揺すられるシーンもあるものの、上屋が大きくて高いSUVとしては十分に抑えられていて、レクサス NXやBMW X3、ボルボ XC60などよりも当たりの柔らかさを感じさせます。
それでも「スポーツ」が車名につくだけに、コーナリングも決して不得意ではなく、それどころかオンザレール感覚が味わえるハンドリングも魅力。
「トルクベクタリング・バイ・ブレーキング」の威力は間違いないですが、介入ぶりはほとんど感じられませんから、ワインディングでも高速道路でも気持ちのいい走りが満喫できるはず。
パワーフィールもなかなか良好で、2.0Lの直列4気筒ターボは、気持ちのいい吹け上がりを披露。
ZF製9ATのスムーズな変速もパワーフィールの良さに大きく貢献している印象で、無用なショックはほとんど感じられませんし、パドルシフトでMT感覚のシフトチェンジをすれば、スポーティでメリハリのある変速も楽しめます。
さらに、今回は残念ながら試乗車がありませんでしたが「アダプティブ・ダイナミクス(マグネライド可変ダンパー)」装着車が、さらにフラットライドを味わうにはベターなのは間違いでしょう。
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(文/塚田勝弘 写真/小林和久)