「先代」となるSX4は全長4135×全幅1730×全高1585mmで、現行の「SX4 S-CROSS」は全長が150mm拡大し、全長4300×全幅1765×全高1575mmと、ホンダ・ヴェゼル(全長4295×全幅1770×全高1605mm)やマツダCX-3(全長4275×全幅1765×全高1550mm)と近いディメンションを得ています。
先代よりも前後席間の距離を44mm拡大し、たとえば後席のフットスペースはCX-3よりも余裕を感じさせるだけでなく、荷室スペースも420LとCX-3の350L、ヴェゼル・ハイブリッド(FF)の393Lを上まわり、居住性も積載性も高いものがあります。
また、スズキの特徴を感じさせるのが、「ALLGRIP」と呼ぶ新しい電子制御式4WDで、ダイヤルとスイッチ操作で4WDのAUTO(標準)、SPORT、SNOW、LOCK(60km/H以下で作動)の走行モードを選択できる点。
短時間の試乗でしたので断言できませんが、走りも想像よりもスムーズなコーナリングで好印象を得ました。
やや高めのアイポイントで見晴らしがいいだけでなく、左右の視界も良好で狭い道でも取り回ししやすそうですし、試乗ステージだった箱根の山岳路でもコーナーでのロールはそれなりに大きめですが、安定感があって素直なハンドリングは万人にオススメできる味付けになっています。117ps/151Nmの1.6Lエンジンは、登り坂でもまさに必要十分という印象。
SX4 S-CROSSは、逆輸入モデルということもあって、やや見逃しがちですが、実用性や走りも含めて「良品」といえる仕上がりです。
(塚田勝弘)