2月26日、富士スピードウェイでGOODSMILE RACING&Team UKYOの今年の参戦マシンであるメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3のシェイクダウンが行われました。
昨年、BMW Z4 GT3でSUPER GTのドライバーズチャンピオンを獲得したグッドスマイルレーシングですが、今年は大方の予想を裏切り、昨年末にSLSのGT3での参戦を発表。2月8日の幕張メッセで開催されたワンダーフェスティバルでカラーリングの発表を行いましたが、そこで使用されたSLS GT3はレンタルしたものであり、参戦マシンそのものが人目に触れるのはこのシェイクダウンが初めてとなるのです。
このメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3導入にはかなりの紆余曲折があったらしく、昨シーズンを振り返り今年のレースをどう戦うかという会議で様々なマシンが候補に挙がり、その中で熾烈な検討の末に決定された「勝つための選択」がメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3だったとのこと。
しかし、その時点ではメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3はすでに生産を終了しており、2016年から採用されるメルセデス・ベンツ AMG GT GT3の開発に入っていたらしいのです。
そこで、2015年で一番チャンピオンに近いマシンはメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3と確信しているグッドスマイルレーシングはダイムラー。ベンツ社を説き伏せ、新車でのマシン製作を発注。GT300史上初の2連覇を狙うチームとしての熱い意気込みを感じます。
当初1月の予定から大きく遅れて2月後半に到着した最後のメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3。メインとなるキャラクターの初音ミクは姫騎士をイメージしたレーシングミクバージョンとなります。
シェイクダウンを担当したのは片岡龍也選手。過去にスーパー耐久でメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3をドライブした経験があるため、特殊な乗り込みもスムーズ。なおパートナーになる谷口信輝選手も片岡選手と同じチームでメルセデス・ベンツ SLS AMG GT3でスーパー耐久のシリーズチャンピオンを獲得しています。
シェイクダウン当日は小ぶりながら気温が低いために路面に雨が残るウェットコンディション。S4というスポーツ走行枠での走行であったために全開走行とまでは行かなかったようですが、先ずは快調にメニューをこなしていたようです。
本当に最後の「ラストナンバー」メルセデス・ベンツ SLS AMG GT3でGOODSMILE RACING&Team UKYOはどのような戦いをするのか。SUPER GTのGT300クラスは大注目といえるでしょう。
(文・写真:松永和浩)