メルセデス・ベンツCクラスの走りの良さは、自然なダイレクト感にあり

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とくにハンドリングでは、日産(インフィニティ)スカイラインのダイレクトアダプティブステアリング、レクサスのギヤ比可変ステアリングは、駐車時などに幅寄せしやすいなどのメリットを感じさせつつも、自然なフィーリングとはいえません。

慣れれば便利なのでしょうが、こうしたデバイスは本当に必要なのか? と感じることもあり、「ダイレクト感のあるハンドリング」という意味では失ったものもあるはず。

BMWのアクティブステアリングも投入当初は、否定的な意見が多く、私もタイヤがどちらを向いているのか一瞬分からなくなるほど違和感ありという印象でしたので、日本勢もまだ熟成には時間が必要なのでしょう。

しかし現在のCクラスは、ガソリンエンジンのみということもあって(今後PHV、クリーンディーゼルも投入されます)、自然なフィーリングを得られるハンドリング、アクセルを踏んだときのダイレクト感、違和感のないブレーキフィールなど、FRスポーツセダンを運転している楽しさを分かりやすく実感できるのは大きな魅力。

また、良好な乗り心地に関しては、フロントサスペンションが3リンクのストラットから4リンク化されたことでとくにコーナリング時のマナーが向上。リヤは当然マルチリンクで変わりませんが、新開発されており、直進安定性と快適性を進化させた恩恵も大きいものがあります。

今回、試乗した「C180アバンギャルド」のパワートレーンは、1.6L直列4気筒DOHCターボで、「7Gトロニックプラス」と呼ぶ電子制御7速AT。

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156ps/5300rpm、250Nm/1200-4000rpmというスペックは、C200アバンギャルドに搭載される2.0Lターボの184ps/5500rpm、300Nm/1200-4000rpmと比べると心許ない印象も受けますが、走行モードが「ECO」のままでも市街地は十分な加速感を得られますし、高速道路では「Sport」にすれば痛快な加速フィールを味わえます。まったく変速ショックを感じさせない7速ATの完熟ぶりもまさに文句なしというところです。

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■2014年の「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた気になる走りは?
https://clicccar.com/2014/12/17/282485/

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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