【追悼・画像ギャラリー】徳大寺有恒氏の“あのころ”

2014年11月7日に亡くなられた徳大寺有恒(1939年生まれ、本名:杉江博愛)さんは、「間違いだらけのクルマ選び」(草思社)が大ヒットし、その後、日本で最も著名な自動車評論家のひとりとして活躍されたのはみなさんご存知の通りでしょう。

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1965年船橋CCC

それ以前は、レースにも参戦されたていらっしゃったことも知られています。徳大寺さんらの活動は、当時のメンズクラブでも紹介されていました。

三栄書房オートスポーツには、第1回日本グランプリにコロナで出走していた記録があります。

第2回日本グランプリではGT‐Ⅱレースに出場した式場壮吉、生沢徹両名の間に映っている写真も出てきました。カー用品の卸売・販売のシキバエンタープライズ/レーシングメイト時代には、浮谷東次郎のロータスエランが活躍した1965年船橋CCCレースや、1967年第4回日本グランプリにて生沢さんが優勝した時のピットクルーとして参加されていました。このレースでは、生沢選手のポルシェ・カレラ6と高橋国光選手のニッサン・R380がレース中に接触しそうになりスピン。生沢選手が緊急ピットインした際に機転を利かせて給油を指示しました。これにより生沢選手は給油のためのピットインをせずに走り切り総合優勝を果たしました。

また、60年代後半から式場壮吉氏が編集長を務めた「CAR MAGAZINE」(ベースボールマガジン社)では、広い自動車の知識を生かして、当時の輸入車・国産車の試乗記を執筆されており、自動車評論家としても草創期から活躍されていました。

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1968年に発行された「モーター・スポーツへの招待」に記された著者略歴には「モーター・スポーツ評論家」とありました。

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こちらはレーシングメイトの広告ページです。

略歴から抜粋すると、

昭和38(1963)年にトヨタ自工入社。昭和39(1964)年第2回日本グランプリに出場、6月に第1回全日本ヒルクライムに出場、9月 に開催された第6回日本アルペンラリーでは、蟹江光正選手とコロナで出場して総合3位に入賞(これはホント。4日間で1500km走った時代 です)。同年10月にトヨタ自工を退社し、11月に式場壮吉氏とシキバ・エンタープライズを設立、常務取締役に就任。

とあります。

 

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1964年第2回日本GP鈴鹿サーキットのピット。式場壮吉(写真左)、生沢徹、その間でハンチングを被っているのが杉江博愛氏。3人とも同じセーターを着ていることに注目。赤いラウムウールセーターだったとか。

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サインボードを持ってらっしゃいます。

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若かりしころのお尻です。

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そして、おそらく、雑誌の表紙を飾ることになったのは、NAVI CARSが最新となったと思われます。

 徳大寺有恒さん表紙

NAVI CARS No.10 2014年3月号(ボイス・パブリケーション刊 2014年1月26日発売 1028円)

若かりし頃、日本の自動車界がある意味イチバン輝いていた頃をお過ごしになった徳大寺さん。羨ましくもあります。ご冥福をお祈りいたします。

協力:長谷川俊也(サンズ)

(小林和久)

 

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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