実は理由があった。どうしてベンツはライトを点けるのが早いのか?  

いえいえとんでもありません。これこそが、メルセデスの安全哲学なのです。ヘッドライトを早くつけることで、周囲に対して自車の存在をアピール。被視認性を高めて交通事故を減らそうという考えなのです。

ヘッドライトは暗い道を照らして明るくするもの、と思われがちですがそれだけじゃありません。周囲に対して自車の存在を示す道具でもあるのです。だからこそ、人間の目が見えにくくなる黄昏時でもしっかりとライトを点けることが安全につながるというわけですね。バイク、そしてバスや宅配のトラックなんかが昼間でもライトを点けているのと同じ理由です。

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よくわからない? これを見ればもう一目瞭然!!

この動画を製作した「おもいやりライト」とは、横浜を中心に「交通安全のためにヘッドライトを早く点灯しましょう」という啓蒙活動をしている団体。11月10日には「いい点灯の日」として横浜でイベントをやるようなので、そちらにも注目です。

ちなみに、国産メーカーでは日産が安全を考えて「AUTO」のライト点灯を早めに設定しています。びっくりするくらい早くヘッドライトが点灯しちゃいます。

ユーザーからは「ライトが点くのが早すぎる!」なんていう声がメーカーにたくさん寄せられるそうですが、それには安全という大きな理由があってのこと。なので、ベンツや日産車のオーナーじゃなくてもライト点灯は早めにしたいですよね。

昔は「無駄にライトを点けるとバッテリーが痛む」とか「ライトバルブが切れやすくなる」なんて言われたようですが、今のクルマはそんなことありません。ライトを早めに点けることのデメリットはなにもないのです。なので安心して、積極的にライトを点けましょう!

点けるのはもちろんポジションランプじゃなくてちゃーんとヘッドランプですよ。

■おもいやりライト
http://www.omoiyari-light.com/

■薄暗れ感知オートライトシステム(日産自動車)
http://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/smart_auto_headlight_wiper.html

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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