山本晋也 
もちろん、高速域になると曲がらないというケースもあるでしょうが、オーバースピードで限界域を超えたところで当たり前に起きるアンダーステア現象であって、前後軸重のイメージほど曲がらないといった印象を受けることはなかったのです。
たしかに、コーナーの曲率を見誤って、ステアリングの切り込みが甘いところから、切り増したりするとフロントタイヤから聞こえてくるスキール音の発生は早めな印象もありましたが、前輪で駆動も行なうFF車でありますから、ドライバーへクルマの状態を伝達するという意味ではポジティブな傾向と感じます。
実際、走行後のタイヤを見てみると、数々のメディアによる試乗で痛めつけられているはずのフロントタイヤは、ショルダー部分に負担がかかった跡が見られるものの、サイドウォールまでは到達するほど傷んではいません。
強いアンダーステア傾向であれば、もう少しサイドウォールまで使う傾向にあるはずですが、フロントタイヤのトレッド面をしっかり接地させて使えるシャシーと、スキール音による早めのアナウンスが功を奏しているように思えるところです。
