レクサスNXのダウンサイジングターボ「退屈とは無縁だが、驚くほど速くはない」【試乗記02】

ハリアーとはひと味違うボディ剛性感の高さに加えて、30段階もの可変制御を行う電子制御ダンパーの「NAVI・AV-AVS」も乗り心地の良さに貢献しているはずで、「F SPORT」でも乗り心地で身構える必要はなく、むしろフラットライドな走りは魅力的。

LEXUS_NX_16街中ではドライブモードスイッチを「エコモード」にしていてもパワー不足を感じさせるシーンはほとんどなく、高速道路への合流時や登り坂ではダイヤルを押して「ノーマルモード」にすればこと足りてしまいます。

しかし、高速道路や山道を少し飛ばしたい時は「スポーツモード」が適任です。

筒内直接+ポート燃料噴射を備え、お金の掛かっている2.0L直列4気筒DOHCターボは、238ps/4800〜5600rpm、350Nm/1650〜4000rpmというスペック。

最大トルクは、BMW X3やX4の2.0Lターボの350Nmと同じで、最高出力はX3(X4)の245psには譲りますが、X3やX4を意識しているのでしょうか。

nx_01なお、トランスミッションはNX200tがアイシン製の6速、BMWはZF製8速ATで、2段少ないですが実用上は取り立てて不満なし。なお、100km/h巡航時のエンジン回転数は1900rpm前後です。

しかし、ボルボがXC60などでアイシン製の8ATを採用し、さらにレンジローバー・イヴォークやジープ・チェロキーがZF製9ATを搭載しているのを考えると、プレミアムブランドとしては少々アピール不足も抱かせます。

「スポーツモード」にすれば加速フィールは鋭くなりますが、過剰に高回転に張り付き、低いギヤもあって音が耳に付くということもあまりなく、「スポーツモード+」にしても基本的には上質さを失わない加速フィールを抱かせるのも印象的です。

車両重量が約1.8tあるだけに、どのモードにしても4気筒ターボは余裕綽々というわけではないものの、常用域から高速域まで必要十分というもので、どこまでも上質さを追求しているような印象を受けました。

■レクサス初のターボの走りは?【レクサスNX試乗記01】
https://clicccar.com/2014/09/24/269934/

■レクサスNXが月間目標の約14倍を受注した4つの理由とは?
https://clicccar.com/2014/09/07/267301/

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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