i8はフロントに131ps/250Nmのモーターを、リヤに「BMW」初の1.5L 3気筒ツインパワーターボを積むハイブリッドで、エンジンは231ps/320Nmというスペック。
新型「MINI」の「クーパー」には、すでに1.5の直列3気筒ツインパワーターボが搭載されていますが、こちらは136ps/220Nmですから、最高出力は約100ps、最大トルクは100Nmも増強されています。
エンジンとモーターのシステム合計は、362ps/570Nm。850万円以下で買えるZ4 sDrive35isが340ps/400Nmですから意外とたいしたことない、とも思われますが、Z4は4255×1790×1285mmのスリーサイズで1600kg。
一方のi8は、4689×1942×1293mmと軽くひと回り大きいボディで、1490kgと欧州値ですが1.5tを切っています。
軽さで言えば、重いV8エンジンを積むフェラーリ458イタリアは、i8よりも少し短めの全長で1380kg。ただし、フェラーリは例のごとく乾燥重量ですから車両重量にするとi8の方が軽くなるでしょう。
アルミニウム合金製シャシーとカーボン・ファイバー強化樹脂(CFRP)製のパッセンジャー・セルの威力を感じさせます。
i8の凄さはほかにも、460mmというZ4よりも低い超低重心や49:51の前後重量配分というBMWらしいこだわりもありますし、4.4秒という0-100km/h加速は、テスラ・モデルSのパフォーマンスモデルと同値とこちらも十分以上の速さ。
しかし、最大の凄みは燃費でしょう。2.5L/100kmの燃費に加えて、フルEVモードなら航続距離は最大35km、最高速も120km/hに到達しますから、ちょい乗りなら十分ですし、航続距離は500km以上、ハイブリッドなので充電切れの心配も充電の必要もなし。
BMWとしては、ピュアEVも用意するi3を投入しつつ、BMWらしいスポーツカーを考えたときに現時点ではエンジンははずせなかったと思われます。そこに前輪をモーター、エンジンが後輪を駆動するという4WDの構成を採用したのも、BMWらしい。
そして何より、あのスタイリングと存在感は、都内辺りでは振り向いてもらえなくなっているスーパースポーツカーを超えるものがあるはずで、1917万円(CEVの補助金は85万円)の価格は買える人にとってはバーゲンプライスなのかもしれません。
(塚田勝弘)
