まず、運転席に乗り込みドアを閉めると、「骨格+樹脂外板」の組み合わせのうち骨格の頑強さを感じさせます。ボディの上下曲げ剛性を3倍、ねじれ剛性を1.5倍も大きく向上させた「D-Frame」の恩恵は、たとえば、悪名高き西湘バイパスの路面などでより実感。
下半身が強固で、ボルト締めの樹脂外板、電動開閉によるオープントップという大開口部をもつ上半身はそれなりの剛性感ですが、閉めればボディの緩さはオープンとしてはよく抑えられています。中でもフロアからの振動は抑制されており、軽のレベルを超えて、国産コンパクトカー以上かもしれません。
箱根ターンパイクで658ccのターボエンジンを全開にしても、シャーシが常に勝っている印象で、強固な下半身がコーナーでも悲鳴を上げることなく踏ん張ってくれる感じが受け取れます。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤはトーションビームを踏襲していますが、サスペンションの剛性バランスの最適化やリヤのバンプは、ウレタンの採用で接地感を大切にしたなど、操縦安定性へのこだわりがきちんと具現化されているのが確認できました。
これだけシャーシとボディがいいと、上り坂や高速道路ではもっとパワーが欲しくなりますが、軽ライトウェイトスポーツとして絶妙なバランス感覚を備えたモデルといえます。
(塚田勝弘)