メルセデス・ベンツ「乗用車用5気筒ディーゼル」40年の歴史

いまや、欧州の乗用車ではディーゼルエンジンはメインストリームとなっています。それはディーゼル乗用車に先鞭をつけたメルセデス・ベンツも例外ではありません。

そんなメルセデス・ベンツが、5気筒ディーゼルを乗用車に初めて搭載したのは1974年、ちょうど40年前のことでした。

現代的な目線でみると「わずか80馬力」の3.0リッターディーゼルを積んだのは、コンパクトクラスとされていたw115で、そのグレード名は『240 D 3.0』でした。

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当時も5気筒ディーゼルは、商用車では珍しい存在ではなかったといいますが、メルセデスにふさわしいキャラクターとするために4気筒ディーゼルをベースにエンジンを新規開発しています。

そうして40年前に生まれたのが、排気量3005ccの5気筒ディーゼル『OM 617』エンジンです。最高速は148km/h、0-100km/h加速は19.9秒を実現していました。

 なお、当初のスペックは59kW/2400rpmだった5気筒ディーゼルも、後に初代Sクラス(W116)ではターボ過給されるようになり82kW/4200rpmへとパワーアップ。現代のプレミアムディーゼルにつながる存在感を示したといいます。 

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(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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