5気筒エンジンのコンセプトカーをアウディが発表

2014年3月のジュネーブモーターショーで2.0リッター4気筒エンジンから420馬力を絞り出す「アウディTTクワトロスポーツコンセプト」を、2014年4月の北京モーターショーにおいて2.0リッターながら400馬力を発生する「フォルクスワーゲン・ゴルフR400コンセプト」を登場させたフォルクスワーゲン・グループ。

世界的なエコ・トレンドとは一線を画したパフォーマンスのアピールは、同グループの勢いを感じさせるものでしたが、さらにパワフルな、リッター211.7馬力、2.5リッターで525馬力という5気筒エンジンを積んだコンセプトカーがアウディから発表されました。

それが「A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプト」です。

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 コンパクトなボディのA3に搭載される排気量2480ccの5気筒ガソリン直噴ターボは大型ターボチャージャー、1.5barの高ブースト、インタークーラーの高性能化などモディファイされたもので、最高出力は386kW(525馬力)、最大トルクは600Nm。レブリミットは6900rpmとなっています。組み合わせられるトランスミッションは3軸DCTの7速Sトロニック、駆動システムは多板クラッチを使ったクワトロ(4WD)ということです。

S3セダンをベースとしたボディは、スリーサイズは全長4490mm、全幅1856mm、全高1382mmとなり、ホイールベースは2631mm、そして車重は1527kg。パフォーマンスは、0-100km/h加速が3.6秒、最高速は310km/hとアナウンスされています。 

こうした動力性能に合わせて、シャシーも強化されています。

ベースとなったS3セダンよりも10mm下げられた車高、275/25R21というサイズのタイヤ、そしてフロントには370mmと大径ブレーキディスク(カーボンファイバーセラミック!)がインストールされています。 さらに高速域からのブレーキングではスポイラーを立ち上げ、エアブレーキとして利用する機能も採用されたと発表されています。

まさにスペシャルモデルな「A3クラブスポーツ クワトロ コンセプト」ですが、フォルクスワーゲンが採用するクルマ作りの基礎となるモジュラー設計『MQB』に則っているということです。すなわち、525馬力のハイパフォーマンスエンジンやシャシー強化の内容などは同グループの他モデルへ拡大することも期待できそうです。

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(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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