4月の軽自動車販売を見ると、消費税アップで市場が冷え込む中、タントが5ヶ月連続で首位を獲得しました。さすがは、スーパーハイトワゴンの先駆けにして本命ブランドの実力派!
でもそんなダイハツ軽も、実は3輪車とFRでスタートしているのをご存じでしょうか? そこでここでは、歴代のダイハツ軽について振り返りたいと思います。
■ダイハツ軽は3輪商用とFR乗用車から始まった!
ダイハツの軽規格は、3輪商用車のミゼットから始まりました。初期型は、屋根もドアも荷台との仕切りもなく、幌で代用。更にハンドルもバータイプ。オートバイからの乗換需要を狙ったのですネ。また荷台タイプの他にも、郵便車やタクシー仕様がありました。続いて送り出した軽4輪乗用車のフェローは、水冷2ストを搭載したFRで登場。その後は後継のクォーレから、FFを採用しました。
■ライバルの刺客はミラとムーブだ!
ダイハツの大ヒット作となったのが、ボンネットバンのミラでした。市場的にはアルト対抗の位置付けで、1.5ボックスと称された背高で広いキャビンが人気でしたね。またミラをベースにして、全高を上げたムーブが登場。こちらもワゴンR対抗と言われましたが、デザインをイタリアのI.DE.Aと共同開発したとおり、パーソナル志向を強調。またムーブといえば、今では軽定番となった標準&カスタム(表&裏)戦略の産みの親でした。
■チャレンジングすぎるミゼット?と拍手喝采のコペン
ダイハツは新規市場を開拓するべく、様々な車種を送り出してきました。96年にはミゼットを、1人乗りピックアップで復活。後に2人乗りやバン仕様も追加されました。今見ても、突き抜けたデザインには脱帽モノです。
電動ルーフを採用したコペンは、当時軽市場では久方振りのオープンスポーツ。「よくぞ出してくれた!」とクルマ好きから喝采を浴びました。間もなく登場する2代目は、ボディの着せ替えという新たな楽しさを提案してくれるはずです。
最初タントに乗り込んだ時、あまりに高くて広い真四角な室内空間に、走るクルマという感覚を抱けませんでした。「ちょっとした閉域感がクルマらしい」という固定観念が、通用しなかったのですね。初代タントは、ママ向きの標準タイプの後に、パパも納得のカスタムが加わって、一気に人気が拡大しました。スーパーハイトワゴンに、「ニッポンのおもてなし文化、ここに極まれり!」という印象を強く受けた次第です。
(拓波幸としひろ)