GMの10年以上に及ぶ「イグニッション・スイッチ」の重大不具合隠蔽を巡り、米国で集団訴訟が相次いで発生しているようです。
そうした中、同社が米連邦破産裁判所に対して「経営破綻する前に発生した不具合については新生GMは責任を負わない」として多発する訴訟の差し止めを申し立てた為、これが大きな反響を呼ぶ結果に。
原告団は「責任逃れ」としてGMを相手取り、同裁判所に訴えを起こしており、これに対してGM側は「裁判所への申し立ては不具合で負傷したユーザー以外が起こしている集団訴訟(主にリコールに起因する経済的損害)に対するもので、欠陥が有るイグニッションスイッチの交換についても既に対応している」と説明。
リコール対象は4月初時点で他のパワーステアリングの不具合を含めて650万台超と、かつてのトヨタ自動車の大量リコールに相当する規模。
本年1~3月の同社売上高は+1%増だったものの、13億ドルの改修費用を計上したことで、純利益は前年同期比で86%減に。
主力の北米市場に於ける営業利益についても61%減った模様。
米連邦破産裁判所が2009年に破綻したGMの会社更生に際し、一部の補償義務と事故責任だけを残して大半の法的責任を免除する判断を示した事がGMの申し立ての根拠になっているそうで、同社は改めてこの判断の再確認を裁判所に求めている状況。
とは言え、リコール対象車を所有するユーザーはGMに対して「2001年から把握していた欠陥を公表しなかった事は詐欺行為に該当する」としており、同社の裁判所への申し立てに対しても法的に「支持できない」と批判。
このように米国は以前のヒュンダイによる燃費水増し問題も含めて内外問わず、今さらのように訴訟大国である事を再認識させられる状況となっています。
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