トヨタ自動車は昨年3月、迅速な意思決定や機動性の向上を目指し、自動車事業をレクサスを担当する「レクサス・インターナショナル」、日米欧を担当する「第1トヨタ」、新興国を担当する「第2トヨタ」、部品を担当する「ユニットセンター」の4つのビジネスユニットに分けました。
その際、「レクサス・インターナショナル」は豊田章男社長の直轄組織に。
1989年の「LS400」米国導入を機にスタートしたレクサスブランドは誕生後25年が経過。2005年8月からは国内展開も始まり、既に9年目に入っています。
しかしながら、このところ欧州車勢に押され気味で、2013年の国内販売台数でメルセデス・ベンツに抜かれており、背後にはBMWがピッタリ付けている状況。
ちなみに2013年度の輸入車販売台数は上位から順にVW「Golf」が30,974台、BMW「3シリーズ」が20,742台、同MINIが17,163台、Benz「Aクラス」が14,595台、同Cクラスが11,864台、VW「Polo」が11,752台、同「up!」が11,310台。
メルセデス・ベンツは2013年1月に導入したエントリーモデルの新型「Aクラス」(292万円~)の販売が非常に好調で、派生モデルの「Bクラス」(299万円~)やセダンの「CLA」もラインナップ。
派生SUV「GLA」導入も控えており、引き続き好調を維持すると予想されています。
輸入車でトップセールスを誇るVWにはエントリーモデルに「up!」(154万円~)、その上に「Polo」(227.6万円~)や「Golf」(258.7万円~)をラインナップ。
このようにかつて高嶺の花だった欧州車は今では200万円台以下のエントリークラスをメインに投入することで人気を博している訳ですが、レクサスのエントリーモデルはHVの「CT200h」(366.2万円~)となり、輸入車勢に対抗できる200万円台クラスのモデルが存在しません。
周知のとおり、VW傘下のアウディは「Polo」や「Golf」のプラットフォームを流用して「A1」や「A3」をラインナップしており、VW車よりも高級路線を打ち出すことで50万円以上の価格差を付けて販売しています。
本来レクサスも「VW」と「アウディ」のような関係を目指していると思われますが、それには上級クラスだけでなく、やはり対抗馬となるエントリーモデルが必要。
こうした欧州勢の低価格帯攻勢を受け、「トヨタ」と「レクサス」2ブランド連携による販売戦略が必要との結論にようやく達した模様。
トヨタもこれまでのように上級クラスだけで国内シェアを確保するのは無理と判断したようで、今後は「CT200h」の下位モデルとなる2ボックス系コンパクトモデルや「RX」の下位モデルとなる「NX」など、SUV系にも力を入れて行くようです。
恐らく輸入車攻勢が無ければ今後も従来の延長線だったと思われる「レクサス」。
同ブランドが欧州車のシェアを脅かす存在となるにはこれまでに無い新たな価値観の創造が必要とされているのは明らかで、早い時期に「200万円台で上質」なエントリーモデルが登場する可能性が高そうです。
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