ドラえもんがどら焼きも世界に広めた!? グローバルニッチトップ企業100選が発表

最先端は中小企業が切り開いてるんですよ！

とまでは言いすぎかもしれませんが、自動車にしろ電気製品にしろ、完成品は大メーカーが作ってることが少なくありません。でも複雑な消費財ほど、そこには数多くの部品が使われています。そして、完成品の性能は、個々の部品の技術革新によって支えられている面もあるんですね。つまり、技術革新のフロンティアは、個々の部品に、そして個々の部品を作っている中小企業にある、というケースも少なくないんです。

なかでも国際的にニッチ分野において高いシェアをほこる企業100社を経済産業省が選定しました。「グローバルニッチトップ企業（GNT企業）100選。とうぜんトヨタやパナソニックなんか入りません。いや逆立ちしたって入れません。だってテーマが「ニッチ」だもん。そして、そのラインアップがまた興味深い。

たとえば株式会社東和電機製作所 なんかは「漁師のノウハウをシステム化した全自動イカ釣機 」。ただの全自動イカ釣機じゃないんですよ、漁師のノウハウをシステム化しちゃってる。なんというこだわり！　これをグローバルに展開してるわけですから、もう日本の漁師が世界中でイカ釣ってるみたいなもんです。

それから、株式会社ヤナギヤ は「カニカマ製造装置」。ちょっと待て。そんなにグローバルにカニカマ作られてるのか？　それ、もしかして全部日本に輸入されるんじゃないのか？　ひょっとすると世界中で取れたイカが日本に来て、世界中で作られたカニカマが日本に来てるんじゃないのか？

株式会社マスダックなんて、予想通り社長は”増田さん”ですからね。そして作っているのは「どら焼機（英名「Sandwich Pancake Machine」） 。おいおいおい。どら焼って海外で作ってるのか！　あずきを煮て、砂糖で甘くして、かくし味に少し塩を入れたりして、あんこ作ってるのか！　と思って、「dorayaki」とか「Sandwich Pancake」でググってみたら、意外と出てきました。もしかしたら、「ドラえもん」が世界に普及させたのかもしれません。

クルマ関連の企業もスゴい。久野金属工業株式会社 は「電気自動車・ハイブリッド自動車用モーター向けハウジング」。いいですか「電気自動車・ハイブリッド自動車用モーター」じゃないんですからね。その「ハウジング」なんですからね。もう隙間感ハンパない！　

いやー、この単体で見てもすごさがわからない（※なかにはわかるものもあります）部品ひとつひとつにも、多大なこだわりと努力があるんですよ、きっと。小さなシンプルなものにでもこだわっちゃうのが日本人なんですよね。だから支持されるんですよ。そして、それを使ってできた消費財は、そりゃあクオリティの高いものになりますよ。下にその100企業の表を出しておきますが、なんかこの表を見るだけで隙間ロマンを感じます。いやー、「ネジザウルス」とかほしいわー。

（まめ蔵）