「匂う」FCV用燃料をカリフォルニア大学が開発

米カリフォルニア大学アーバイン校の燃料電池研究センターがFCV(燃料電池車)用の環境に優しい水素発生システムを開発したそうです。 

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その原材料は何と、人間の「排泄物」。 

同センターはこのシステムをカリフォルニア州政府と米エネルギー省から1000万ドル(約10億円)の資金援助を受けて開発したと言います。 

オレンジ・カウンティ地区内のファウンテン・ヴァレー下水処理設備で排泄物により作られた水素は同地区内に無料で供給される模様。 

具体的には原材料となる排泄物を水と固体に分離した後、固体を大量の微生物を充填した真空タンクへ送り込み、微生物が吐き出すメタンガスとCO2を燃焼させ、その際に発生する気体を研究チームが開発した装置に送って水素を抽出するというもの。 

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以前にアウディが水を電気分解して水素を生成する大規模な自社製プラントを建設、FCV本格普及までの間、生成した水素にCO2を反応させて合成メタンガスを発生させる事業をスタートさせたという話題をお届けしましたが、今回はこの逆バージョン。 

ヒュンダイが早速この地区の無料水素に目を付けており、FCVのリース事業を開始するようで、トヨタ、ホンダ、メルセデス・ベンツ、GMなどの各社も開発中のFCVを同地区で販売する予定とか。 

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水素燃料が無料で支給されるとなれば、FCVを世界にアピールするのに絶好のロケーションというワケです。 

ただ、原材料が発する「匂い」については課題が残りそうですが・・・ 

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 (Avanti Yasunori) 

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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