スウェーデンのイェーテボリ市内の公道で、100台規模の自動運転の走行試験を行っているボルボ。正確な自車位置の把握は自動運転で欠かせない技術ですが、GPSやカメラ、センサーなどすでに確立されている測位技術は特定の条件下で制限を受ける可能性があります。
しかし、道路にマグネットを埋め込むことで自車位置測位をするという今回の研究であれば、高架下や高層ビル街、悪天候などといった影響を受けずに済むといいます。
ボルボ・カー・グループの予防安全技術リーダー、ヨーナス・エクマーク氏によると、「マグネットは最大誤差10cm未満の、目に見えない道路を作り出します。様々な速度域でテストを繰り返し、将来的に有望な結果が得られています」と前向きのコメントを残しています。
道路に埋没されたマグネットは、自動運転だけでなく、
1:測位技術を組み込んだ予防安全システムにより、車両が道路から飛び出すような交通事故の防止。
2:雪に覆われ見えなくなった道路端のガードレールや標識との接触を防ぎ、冬季の道路メンテナンスを簡略化。
3:正確な自車位置の測位により、これまで以上に道幅を狭くすることが可能。さらに道路スペースのさらなる有効利用を促進。
といったメリットもあるそうです。
実験では長さ100mのテストコースに地中200mmの深さに40×15mmのマグネットを一定間隔で埋め込んだとのことですが、道路を作り直すという手間とコストを考えると疑問も浮かびます。
しかし、年末や年度末などになるとやたらと道路をほじくり返す? 印象のある日本では、ついでにマグネットを埋め込んでしまえば効果的かも、と思わなくもありませんが、どうでしょうか?
(塚田勝弘)