東京モーターショーの一般公開日でも多くの注目を集めていた新型オデッセイが好調です。発売から1か月で1万2000台を超える受注は、月4000台の計画販売の3倍。
購入のポイントとして評価を集めている中には、「天井高を上げ、かつ床面高を下げる「超低床プラットフォーム」を構築して実現した広い室内空間と、歴代オデッセイで定評のあった爽快で安定した走行性能」、「大開口のスライドドアと、地上高約30cmの2列目ステップ高による優れた乗降性」、「包み込まれるような座り心地の2列目プレミアムクレードルシート」と、従来のオデッセイにはなかった点が含まれています。
ご存じのとおり、先代までのオデッセイは1550mmの車高制限がある立体駐車場に入庫できる高さを確保する一方で、リヤドアはヒンジ式のスイングドアでした。
ローフォルムによる走りの良さを誇っていたというよりも、ミニバン離れした次元の走りが身上でしたが、販売的には代を重ねることにエスティマとの差が大きくなってきたような気がします。
5代目となる新型オデッセイは、先代よりも全高を150mmも上げながら全長は30mm長くなっているだけで全幅は変わっていません。
しかし、乗ってみると1列目〜3列目までの開放感は隔世の感があります。室内高はじつに105mmも高くなっていますから先代までの「3列シートワゴンから3列シートミニバン」にようやくなったといえるでしょう。
これにより、立体駐車場に制約のあるお客さんは逃すかも知れませんが、新しいユーザーを獲得できるのは間違いありません。
ホンダ独自の低床化技術は、ステップワゴンでも実証済みですが、オデッセイもステップ高は約30cmしかありませんから小さな子どもやお年寄りでも楽々です。
1列目はアイポイントがセダンなどよりも少し高めで、こちらもホンダの自慢であるAピラーを細くできる技術により視界も良好。サイズの割に取り回ししやすくなっていて、狭い道でも思いのほかストレスを感じずに扱うことができます。
これも同社の自慢であるセンタータンクレイアウトの恩恵で、2列目の足元はフラットかつ広々しています。もちろん、頭上も余裕十分でこれなら家族から「広い!」という感嘆の声が上がるはず。
サードシートは、床下に反転させる格納式を採用しているためか、フロアから座面までの高さがかなり低く、大人だと体育座りのような膝を抱える姿勢に近くなってしまいます。
ですが、着座位置が低いだけ頭上にも余裕が残っていますし、3列すべてに大人が座っても不足のない膝前空間を確保できます。次回は気になる走りについてご報告したいとます。
(塚田勝弘)