9速ATを搭載したレンジローバー・イヴォーク2014年モデルが日本上陸

フォルクスワーゲンのDSGから端を発し、いまや世界的な流行を見せているデュアルクラッチのDCTは、スポーツカーからコンパクトカーまで幅広い車種に採用されています。

CVT大国の日本でもホンダ・フィットハイブリッドがDCTをようやく採用しましたが、CVTよりもダイレクトな変速フィーリングを楽しめ、効率の高さから燃費面でのメリットも大きく、MT大国の欧州でも存在感は増しており、廉価仕様にのみMTが用意される、という時代が到来しつつあります。

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さて、オンロード重視派が主流とはいえ、悪路走破性も求められるSUVは、トレーラーなどを牽引することもあり、DCTではなく低速トルクの制御がしやすいATが大半です。

オンロード重視のイヴォークを世に出したランドローバーですが、ブランド名に恥じない悪路走破性の高さももちろんチャームポイント。

2014年モデルから採用されるZF社製の新開発9速ATは、従来の6速ATよりも3速も多段化されていますが、燃費向上が主眼で、JC08モードで9.0km/Lから10.6km/Lに向上し、CO2も19%削減の217g/kmを達成。

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もちろん、多段化によりシフトショックの低減やフィーリングの洗練なども実現しており、ローギアはオフロードでの走行性を想定し、より低くギア比を設定できるというメリットもあります。

ギアを飛ばすスキップシフトも可能で、アイドリングストップも備えることからスムーズな走りと静粛性、燃費向上とメリットはいくつもあります。

イヴォーク全車に「4WDアクティブ・ドライブライン」を搭載。ドライ路面などの通常走行時にリヤへの動力伝達を遮断し、FF走行になるシステムで燃費向上に貢献しています。さらに、四輪間でトルク配分を行うことでアンダーステアを低減する、トルクベクタリングを採用。コーナリング性能を高めるなど、山道でもストレスなく駆け抜けることが可能なはずです。

また、接近車両を知らせる「ブラインド・スポット・モニター」や駐車場所からバックで出る際に衝突の可能性を察知するとドライバーに警告する「リバース・トラフィック・ディテクション」、万一の際に衝突スピードを軽減するインテリジェント・エマージェンシー・ブレーキ付きの「アダプティブクルーズコントロール」も採用しています。

価格はレンジローバー・イヴォーク・ピュアが460万円、レンジローバー・イヴォーク・プレステージが588万円、レンジローバー・イヴォーク・クーペ・ピュアが480万円、レンジローバー・イヴォーク・クーペ・ダイナミックが608万円になっています。

■なんと9ATを搭載したレンジローバー「イヴォーク」2014年モデル
https://clicccar.com/2013/09/05/229635/

■8速は当たり前、次は9速、いや10速!? ATの多段化は一体どこまで進むのか?
https://clicccar.com/2013/05/02/218978/

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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