新型アクセラの「買い」はディーゼルでもハイブリッドでもない!?【マツダ・アクセラ試乗記03】

全域トルクフル、踏めば即加速する175ps/420Nmのディーゼルはスポーツカー顔負けの速さ、静かで十分な速さも楽しめるハイブリッドは低燃費だけでなく、高級車の雰囲気も味わえる。となると、3代目マツダ・アクセラは、やはりディーゼルとハイブリッドに注目が集まりがちですが、「SKYACTIVE-G 1.5」、つまり1.5Lの直列4気筒DOHCエンジンの出来も侮れないどころか、出色といえる出来映えです。

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111ps/6000rpm、144Nm/3500rpmのスペックは、2.2Lのディーゼルはもちろん、システム合計出力で136psに達するハイブリッドと比べても及びません。

2.0Lのガソリンはさすがにパワフルで、155ps/6000rpm、196Nm/4000rpmのスペックどおり、こちらもアテンザよりも約100kgも軽い分、爽快な走りを楽しめます。

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しかし、想像よりもいいな! と思えたのは1.5Lで、確かにほかのパワートレーンと比べると湧き上がるようなトルクや高回転域のパンチは望めませんが、街中で走るなら不足を感じさせず、とくにMTであれば勾配の続く山道でもなかなか楽しめます。

しかも、競合ひしめく輸入車のCセグメント車と比べてもハンドリングはかなり正確で、高剛性感も高い。タイヤの仕事ぶりもよく伝わってきますから、狭い道でもコントロール性は抜群。

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高速走行時のスタビリティは今回の試乗コースではチェックできませんでしたが、比較的スピードレンジの高い郊外路でも思いのほかパワー不足を感じさせず、1.5Lだとシャーシが勝っていますから楽にステアリングを握ることができます。

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この走りが主に200万円以下という価格設定(171万1500円〜205万8000円)というのはなかなか魅力的で、燃費もハイブリッドの30.8km/Lには遠く及ばない19km/L台ですが、1.5Lはハイブリッドよりも100kg以上軽く、マツダは軽いクルマを走らせるのがやはり巧みだなと感心させられました。

街中中心なら1.5Lのガソリンで十分満足できますし、廉価なパワートレーンでも走りに手抜きがないのも好感が持てます。

■新型アクセラ・ハイブリッドはプリウスとどう違う?【マツダ・アクセラ試乗記01】

https://clicccar.com/2013/11/10/235319/

■新型アクセラの悩みどころ!? ハイブリッドかディーゼルを選ぶか?【マツダ・アクセラ試乗記02】

https://clicccar.com/2013/11/11/235554/

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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