昨年9月中旬に日本政府による尖閣諸島国有化を引き金に発生した大規模な反日デモによる被害で大きく販売台数をを落とす羽目となった日本車でしたが、その後一年が経過して中国旧正月(2月)に伴う販売店休業を挟んで春以降にようやく販売が安定。
9月に入ると各社共に回復傾向が顕著になり、10月に入ってもその勢いは衰えず、販売状況は好調に推移しています。
具体的にはトヨタ自動車が10月の新車販売台数で昨年同期の約4.5万台から約8.2万台へと大きな回復をみせており、9月に続いて2ヶ月連続で上昇。
日経新聞によれば中国で日本車の象徴とされる「カローラ」や「カムリ」の販売が昨年の反日デモで激減したことから、反動で倍増、8月に投入した新型「RAV4」の販売も好調に推移している模様。
更に新型「ヤリス」の投入で年間販売目標達成に向けて追い込みをかける予定とか。
ホンダも6月に発売した中国専用車「CRIDER」や9月に刷新した主力の「アコード」が好調で10月の販売が昨年の約2.4万台から約7.5万台へと大きく拡大。
MAZDAは8月に投入したスカイアクティブ搭載の「CX-5」 が好調で+88.2%、日産は中国専用車や「シルフィ」の好調により+78.4%とそれぞれ伸びています。
トヨタの中国に於ける今年度1-12月の販売目標は90万台、ホンダの目標は75万台で、両社によればそれぞれ10月末時点の販売実績が約72万台、約57万台となっており、現在の調子で推移すれば共に目標を達成出来る見通しと言います。
一方、日産は今年の販売目標を125万台に設定しており、10月末時点で既に100万台に達しているものの、9月、10月の販売台数が11万台強に留まっている事から、同社によればいっそうの努力が必要な状況としています。
いずれにしても、ここまで日本車の販売が回復している背景には中国の消費者の間で反日デモ時に見られた日本車を保有する事への抵抗が薄れていることが奏功しているようで、裏を返せば如何に無用な政治上のトラブルが日本車販売の足かせになっていたかを窺わせます。
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