ニュービートルからバトンを受け継ぎ、現行のザ・ビートルに試乗したときは、1.2Lターボでも十分速いなと感心しながらも、「ビートルなんだからもうちょっとゆったりしててもいいかな」とも思ったのは、偉大なるタイプ1ことクラシック・ビートルのイメージが脳裏に焼き付いているからかもしれません。
この1.2Lターボは、105ps/175Nmとスペック的には驚くほどではないものの、瞬時に変速を完了する7速DSGと、1500〜4100rpmで発揮される最大トルクも効いているため、街中であれば何ら力不足は感じさせません。
しかし、MINIが爆発的な人気と一度に思い出せないほどのバリエーションを展開しているいま、パーソナルカーとして「ザ・ビートル」の強化は欠かせないのでしょう。
今回、「ザ・ビートル」に初めて2.0LのTSIモデルを加えることで、そのブランドイメージをデザインコンシャスでありながら、速くて楽しいモデルでもあるという印象に転換するのが狙い。
訴求するターゲットも30〜40代の男性ということで、リヤの中央に鎮座するリヤスポイラーや同色のディフューザー、クロームデュアルエキゾーストパイプ、サイドスカートティンテッドグラス、そして専用のドアミラーやレッドキャリパーがのぞく専用の235/45R18タイヤを装着するなど、外装もピリリと辛口。
インテリアもアルミ調のA/Bペダルや、シルバー地に赤で「START ENGINE STOP」と刻印されたスマートエントリー&スターターシステムを採用するなど、スポーティな味つけがされています。
また、オプションパッケージとして3連メーター、LED付バイキセノンヘッドランプ、ダークティンテッドガラス(リヤ左右)を用意。さらに、シートヒーター付レザースポーツシートや電動パノラマスライディングルーフなどの豪華装備も設定しています。その気になる走りは次回お届けします。
(塚田勝弘)