絶好調のV40に続けとばかりにS60/V60、XC60のボルボ60シリーズ、ブランドの顔であるV70をはじめ、XC70、S80とラインナップの大半に手を入れ、XC90の一部仕様変更も行ったボルボ。
今回試乗したのはステーションワゴンのV60とSUVのXC60で、まずはV60の印象から。最も目を惹くのはフロントマスクの変更で、V40を彷彿とさせる大型のワイドグリルやブランドマークが印象的。ヘッドライトの下にはLEDを配するなど、最新モデルらしい雰囲気が漂います。
ボンネットのV字ラインも強調し、フロントからの眺めステーションワゴンとしてはかなりダイナミックで、リヤはボディ同色部分を拡大するなど質感向上を図っており、より洗練されたエクステリアになっているのは間違いありません。
インテリアでの朗報は、中位グレードの「T4 SE」と最上位の「T6 AWD」にパドルシフトが備わったことで、スポーツシートもオプションで用意されています。
安全装備では既報のとおり、「サイクリスト検知機能」を「ヒューマン・セーフティ」に追加し、「シティ・セーフティ」の作動速度域を30km/hから50km/hに引き上げるなど、2020年までにボルボの新車で死亡者と重傷者をゼロにするという「ビジョン2020」に向けて着実に歩んでいるように思えます。
走りに関しては変更のアナウンスはありませんが、剛性も静粛性も一歩上に上がったような感じを受けます。
さらに、パドルシフトの装備とスポーツモードにより、「T6 AWD」ではギヤチェンジが20%クイックに、1-2速間では50%もクイックになりよりスポーティな加速が味わえるだけでなく、実際に0-100km/h加速もV60で6秒から5.7秒と俊足に。
試乗車として用意されたのは中間グレードの「T4 SE」で、1.6Lの直列4気筒ターボに湿式6速DCTを組み合わせたパワートレーンは、V40のT4系と同じです。
180ps/240Nmのスペックも同一で、V40「T4 SE」の1430kgに対してV60「T4 SE」は1560kgと大人2人分の重量増になっていますから、V40で感じられる軽快さよりもややドッシリとした安定感に終始するのは当然でしょう。
しかし、ステーションワゴンというキャラクターを考えると、ホイールベースもV40よりも130mm延びていることもあると思いますが、乗り味の面でも一段と落ち着いて感じられ、前席ではセダンライクな乗り心地を堪能できます。
もし、よりハイパワーを望むのであれば直列6気筒の3.0Lターボから304ps/440Nmのパワー&トルクを誇る「T6 AWD」も控えています。
(塚田勝弘)