クルマもドライバーの感触はよくてもタイムが出ない、その時は?【86/BRZレース参戦記14】

練習走行で感触は良かったものの、ライバルが1分38秒台を記録している中、DTECチーム・マスターワンの76号車は1分39秒中盤のタイムをマークするのがやっとでした。
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クルマの感触は良くてもタイムが出ない、というのは起こる場合があるんです。不具合はなく、ドライバーのフィーリングもいいのに、マシンは速くならない。とても困った状況といえるでしょう。

原因が明確にあれば、修正することは可能だし、具体的にどこを直すべきか判ります。しかし理由が判らないけど、タイムが出ないとなると、対処のしようがないのです。

雨はまだ降らず、完全なドライ路面。予選は29台で、今回は初めてグループ分けせずにタイムアタックをしていきます。
予選はあえてスタートを急がずに、少し間を置いてスペースの空いているタイミングで、コースインしました。そこからゆっくりとマシンをウォームアップさせていきます。このあたりは練習走行で実施したシミュレーション通りです。
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しかし最初のタイムアタック、2度目のタイムアタックと、タイムは伸びていきません。あまり走り込んでも、タイヤの消耗が始まってしまうため、周回を重ねてもタイムは上がりにくいのです。
結果として予選は15位。前回の岡山と同じ、15番グリッドからのスタートということになってしまいました。

ポールポジションは、大西選手が獲得しました。山野選手はいつものように最初のアタックでトップタイムをマークしましたが、それをすぐに大西選手が更新、そのままポールポジションとなったのです。

山野選手はトップタイムを奪い返すために、その後も何度がアタックを繰り返しましたが、残念ながら更新できなかった。これまでとは、少し様相が異なります。
しかしレースは、台風の影響による雨が降ることが確実でした。86/BRZレースがスタートする直前のプログラム、ヴィッツレースの段階ですでに強い雨が降っていました。巻き上げる水幕で白く煙るサーキットを見て、漠然としたチャンスを感じていたのです。
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 (岡村神弥)