ハイブリッドといえばトヨタ、そしてトヨタとスバルといえば先の「トヨタ86&スバルBRZ共同開発」が頭をよぎります。「ひょっとして新型スバルXVハイブリッドも、トヨタとの共同開発?」と思いきやさにあらず。実はスバルは長年に渡り、独自に「水平対向エンジン+シンメトリカルAWD」をベースにしたハイブリッド技術を研究してきました。そしてその技術によって開発した初のハイブリッド車が、新型スバルXVハイブリッドなのです。
■ハイブリッドでも「水平対向エンジン+シンメトリカルAWD」は譲れない、スバルらしさを追及!
現行インプレッサ・XVでも開発責任者を勤めた竹内PGM(プロジェクトゼネラルマネージャー)は、「ハイブリッド=燃費」という市場傾向の中、「ハイブリットにおけるスバルらしさとは何か?」を考察。そしてスバルの伝統は「走りと安全」であり、その源泉である「水平対向エンジン+シンメトリカルAWD(4WD)」を基盤にしてこそ「スバルらしさ」であると決断! そして水辺対向エンジンと4WDを主役に置きながら、ハイブリッド技術による「燃費」と「ファン・トゥ・ドライブ」の上乗せを目指したのです。
■縦置きCVTをエンジンとモーターでサンドイッチするのが、スバル流ハイブリッド!
スバルが開発した新型ハイブリッドは、「エンジンメイン&モーターアシスト」型です。縦置きCVTのプーリーを、前側の水平対向エンジンと後側のモーターで挟み込んだ構造を採用。プーリーの前後にクラッチを配し、ON/OFFの組合せで3つの走行モードを実現しました。「モーター単独走行(時速40km/l以下)」では燃費を、「モーター+エンジン走行」では滑らかで力強い走りを、そして「発電+エンジン走行」ではエネルギー効率を追及。その結果、本格4WDの走りに加えて、20km/lの燃費と滑らかなパワー感を達成したのです。
■都会派SUVをより強調したクリア感覚の専用パーツが魅力
新型スバルXVハイブリッドのエクステリアは、標準車のXVをベースに専用カラーと専用パーツを組合せて、ハイブリッドを演出しています。イメージカラーの「プラズマグリーン・パール」は、ハイブリッド専用色で黒いプロテクターと見事にマッチ! またクリアブルーの専用ヘッドライトとテールランプが、エコと未来感覚を訴求しています。また空力に優れる専用デザインの5本スポークアルミホイールも、ホイールが大きく見えて、都会派SUVをより強調したデザインに仕上がっています。
スバルの「水平対向エンジン+シンメトリカルAWD」は、世界でも唯一無二の「独創の道」です。しかし、技術もパーツも制御もそれぞれ専用開発が必要ですから、言い方を変えると他に仲間のいない「棘の道」でもあります。でもだからこそスバル車は、まばゆい光を放つのですね。今回は価格と信頼性に重きを置いたスペックですが、将来はモーターの大型化やリチウムイオンバッテリーの採用、またリア駆動の電動化等による更なる進化を期待したいと思います。
(拓波幸としひろ)