ついに、スバル初のハイブリッドカーが市販されました。すでにプロトタイプでの「ハイブリッドらしからぬ自然なフィーリング」については、試乗レポートでお伝え済みですが、価格や燃費性能は20.0km/L(最上級グレードのオプション装着で1540kgを超えた場合は19.0km/L)ということが明らかになりました。
グレード別のメーカー希望小売価格は、ベーシックな「ハイブリッド2.0i」が2,499,000円。HIDヘッドライトや電動パワーシートを備えた「ハイブリッド2.0i-L」が2,677,500円。”ぶつからない”機能を備えた「ハイブリッド2.0i-L EyeSight」が2,782,500円となっています。
それぞれ、ガソリンエンジン車で相当するグレードの価格は、2,194,500円/2,362,500円/2,467,500円となっていますから、ハイブリッドのコストは税抜き本体価格で29~30万円高に相当するといえそうです。
そのハイブリッド・パワートレインは、単に従来の2.0L水平対向エンジン・シンメトリカルAWDにモーターを追加したという内容ではありません。
エンジンは、吸排気バルブのジオメトリを変えるほどの変更を遂げ、またエンジン再始動用にスタータージェネレーターと専用バッテリーを備えています。そのために吸気レイアウトも専用となっています。
モーターは、スバル独特のチェーン式CVT『リニアトロニック』に内蔵され、プライマリープーリーに直結するカタチになっていますが、エンジンとリニアトロニックの間にクラッチを設け、 モーターだけによるEV走行も可能になっています。
また、セカンダリープーリーの後ろにクラッチを追加することにより、エンジンとモーターをつなげた状態で、駆動系から切り離すことも可能。つまりエンジンでモーターを回して発電することも可能になっているわけです。
駆動バッテリーは信頼性を優先してパナソニック製ニッケル水素電池を採用、ラゲッジ床下に搭載されています。こうしたバッテリーの配置も運動性能を考慮して、重心をできるだけ低くしようとしている点も、『Fun to Driveを実感できるハイブリッド』という開発コンセプトを示しています。
■主要諸元(ハイブリッド2.0i)
全長:4450mm
全幅:1780mm
全高:1550mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1500kg
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1995cc
最高出力:110kW/6000rpm
最大トルク:196Nm/4200rpm
モーター型式:MA1
モーター形式:三相交流同期電動機
最高出力:10kW
最大トルク:65Nm
バッテリー種類:ニッケル水素電池
バッテリー容量:5.5Ah
燃費性能(JC08モード):20.0km/L
タイヤサイズ:225/55R17
ボディカラーは、プラズマグリーン・パール、タンジェリンオレンジ・パール、デザートカーキ、サテンホワイト・パール※、アイスシルバー・メタリック、ダークグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ディープシーブルー・パール、ヴェネチアンレッド・パール※となっています。 ※は有料色、税込31,500円高。
(山本晋也)