タバコやお酒は、税金を吸っている(飲んでいる)ようなものだ!とよくいわれますが、税金は取りやすいところから取るというのが鉄則なのでしょう。クルマに乗る人にとって、給油のたびに気になるのがガソリン価格。ガソリン価格の変動は、家計に直結しますからニュースになるほどです。
ご存じのとおりガソリンにも税金が課税されています。ガソリンのレシートには、「ガソリン税●●円」と書かれているものもありますが、ガソリン税は正式に「揮発油税及び地方揮発油税(地方道路税)」といいます。
国税庁の資料によると、「揮発油税及び地方揮発油税は、特例税率として53.8円が課税されていますが、揮発油の平均小売価格が連続3か月にわたり160円/Lを超えた場合、特例税率の適用が停止され、揮発油税などの本則税率(28.7円/L)が適用されます」とあります。
ガソリン税は本来28.7円が本則税率であり、25.1円は特例分の暫定税率分ということになります。これは1974年度から道路財源の不足分を穴埋めするために始まった政策。この特例税率は、かつて民主党が廃止を訴えたこともありましたが、実現していないのはご存じのとおり。
さらに消費税まで課せられていますから実質、二重課税そのものなのですが、まぁ仕方ないと皆さん払っているわけです。
それとは別に、環境税(地球温暖化対策税/地球温暖化対策のための課税の特例)も石油や天然ガス、石炭などに昨年10月からかけられています。もちろんガソリンも例外ではありません。
これは石油炭素税にCO2排出量に応じた税率を上乗せする税金で、「化石燃料の輸入者や採取者などに課税されますから消費者や事業者に直接課税されるものではない」と環境省や政府は説明していますが、輸入元などが小売価格に反映させない、とは断言できませんよね。
急な負担増を避けるため、3段階で税率を上げていく巧妙なもので、昨年10月の導入時は1/3ですが、2014年4月1日からは2/3、2016年4月からは3/3になります。
来年4月には二重課税でもある消費税も上がりますから、ガソリンも一段と高くなるかもしれません。
環境税も取りやすいところから取るのと同じでご時世的には仕方ないかもしれませんが、個人的には、二重課税の問題くらいは参院選の争点にならないかなと思っています。アベノミクスも憲法改正も大切なんでしょうが……。
※写真は本文と関係ありません
(塚田勝弘)