ボルボV40クロスカントリーが、コストパフォーマンスで優れている理由とは?

V40の魅力は、クーペ的なスタイルとハイクオリティでセンスのいいインテリア、素のV40 T4でも十分に速いエンジンにあると思います。T5 R-DESIGNは、高速域になるほどダイレクト感が増してよりキビキビと走りますが、正直Rデザインでなくても十分速いよね!というのもホンネです。

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そこに加わったV40 CROSS COUNTRY T5 AWDは、Rデザインと同様に2.0Lの5気筒ターボをフロントに横置きし、ハルデックス社製の第5世代AWDシステムを搭載したもので、スポーツモード付きの6ATを組み合わせます。

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V40クロスカントリーにのみ用意されるのが、1速かリバースギヤで10km/h以下で速度が自動的に保たれるヒルディセントコントロールで、凍結した坂道などで威力を発揮するはず。

また、T5用となる320mmの大径フロントベンチレーテッドディスクとキャリバーがRデザインと同じように装備されています。タイヤサイズは225/50R17。

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運転席に収まると、確かにノーマル仕様よりも少しアイポイントが高くて見晴らしはいいですが、純粋なSUVのような周囲を見下ろすような高さではありません。

また、18インチを履くRデザインよりも乗り心地は若干角が取れているものの、路面からの情報は良くも悪くも手に取るように分かる印象。背とシート高が30mm高くなり、しかもAWD化しているためRデザインのような切れ味の鋭さとは少し違いますが、それでもハンドリングはスポーティそのものです。クロスオーバー化しても、高速道路はもちろん山道を飛ばしても楽しめる。これが、V40が元から持つ特性なのでしょう。

また、トルクバンドは240NmのT4の方が広いですが、中低速域から十分なトルクがあり、シーンを問わず走らせやすいのが美点。もちろん、高速域でのパンチ力は明らかにT5の方が上ですから長い距離を高速で移動するようならT5の価値がさらに高まります。

価格は50km/hまで作動域が高められたシティ・セーフティを標準装備し、213psの直列5気筒ターボエンジンを搭載しながら359万円と、あえてライバルを探すならBMWのX1の2.0iよりも70万円近くも安く、近い価格を探すVWティグアンがありますが価格が近いのは4WDではなく、2WDになるため、コストパフォーマンスではボルボが指摘するように群を抜いています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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