ゴールデンウイーク、渋滞の先頭は何をやってるのか?

今年もやって来ましたゴールデンウィーク。お盆や正月と同じく国民的長期休暇ということで、帰省や旅行を考えている人も多いでしょうが、ゴールデンウイークといえばドライブ派には高速道路が酷く渋滞する期間としても知られています。

JARTIC(日本道路交通情報センター)によれば、4月26日~5月6日が、ゴールデンウイーク渋滞期間といわれています。

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ところで、渋滞はどのように発生しているかご存知でしょうか。

一般的には、事故渋滞・見物渋滞などアクシデントによる渋滞が知られているでしょうが、意外にそうした渋滞は少数派。慢性的に渋滞が発生する場所が多いことからも、突発的な事象より道路の構造上の問題が渋滞を引き起こしているケースが多いのです。

わかりやすいところでは、三車線が二車線に絞られるような状況や有料道路の料金所などですが、後者についてはETCの普及によってずいぶんと改善しているといいます。

じつは渋滞の多数派は、各車が少しづつスピードを落とすことで、後方にいくにしたがって速度の落ち方が加速して、最終的には止まってしまうような速度になる、いわゆる「自然渋滞」なのです。

「先頭車両がゆっくり走っているから渋滞しているんだ!」といった憤りの声を耳にすることもあるでしょうが、このタイプの渋滞では、先頭車両というのはゆっくり走っているつもりもなければ、目に見えて速度を落としているわけでもなかったりします。

上り坂やトンネルの出入り口なので、ほんのわずかなアクセルの踏み込み足らずにより、数km/hの速度減が後方にいくと渋滞となってしまうのです。

Research project Highly automated driving on highways (08/2011)

事故渋滞のように特定のポイントがないのが自然渋滞ですから、実際のシーンでいえば「ようやく渋滞を抜けて、ペースを上げることができるぞ」と思った瞬間、あなたはその渋滞の先頭車両ということになるわけです。そうです、それまで渋滞の中で「どれだけゆっくり走っているんだ!」と思っていた先頭に自分自身がなってしまうのです。

そのときに、しっかりと指定速度まで速度を回復できるか、それとも渋滞の余韻でペースが上がらないかで、極論すれば後ろに率いる渋滞の状況も変わってしまいます。もちろん、上り坂などでの速度低下をしないような運転も大事。自然渋滞を生むのは、各車のわずかな積み重ねによるものですが、逆にいえばドライバー一人ひとりが最大限に気を使うことで自然渋滞を解消できる、短くできる可能性もあるということは覚えておきましょう。

とはいえ、いくら各ドライバーが気をつけても、道路のキャパシティ以上のクルマが走行すると渋滞は発生していまうもの。オフピークを心がけることも渋滞の発生を抑え、快適なドライブにつながります。

高速道路の渋滞については、下りが5月3日~4日がピーク、上りは5月4日~5日にピークが来ると予測されています。渋滞を避けたドライブ計画で、気持ちのいいゴールデンウイークを過ごしましょう。

■関連リンク
JARTIC(日本道路交通情報センター)渋滞予測ページ
http://www.jartic.or.jp/guide/yosoku.html 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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