3月15日、安倍総理が18:00からの記者会見でTPP交渉参加を正式表明。
懸案の一つとされていた自動車について、米国が日本車への関税を当面維持し、簡単な手続きで米国車を輸入できる仕組みを拡大することで日米両政府が大筋で合意、今回の表明となったもの。
米議会民主党の議員団が、米自動車産業や雇用に打撃を受けるとの懸念を表明する書簡をオバマ大統領に送付するなど、日本車の輸入関税が撤廃されれば米国車の生産減や雇用の衰退に繋がるとして、乗用車2.5%、トラック25%の関税維持を求めていました。
書簡には米自動車産業の本拠地であるミシガン州出身の上下両院40名以上が名を連ねていたようで、日本の輸入車認証制度や税制などが閉鎖的と強く批判。
これは日本へ輸出する際の車両安全適合認証に要する期間の長さや低燃費車への優遇税制などを「輸出障壁」としているもので、欧州勢のような日本基準への適合努力とは対照的。
安全性適合審査について日本側は「輸入車特別取扱制度」のさらなる緩和処置による審査期間短縮を検討することに。
また優遇税制について米国は日本でシェアが高い軽自動車の自動車税が7200円/年(軽トラックは4000円)と割安なことに着目しており、大型中心の米国車の販売不振に繋がっているとして見直しを要望しています。
そもそもTPP締結による自動車の輸出関税撤廃については既に米国での現地生産に切り替えている日本車メーカーにとって、「今さら」の感が強く、むしろ今後の交渉の焦点はコメなどの重要品目の聖域確保に加えて、「軽自動車優遇税制」維持が焦点となりそう。
9月頃に予定されているTPP拡大交渉会合への日本政府参画、及び10月のAPEC首脳会合での交渉合意に向けた今後の動きが注目されます。
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