圧倒的な低燃費だけでない、アウトランダーPHEVの上質な走行フィールはV8搭載車並み!?

実燃費が気になるハイブリッドやプラグインハイブリッドはプレス試乗会などの短時間の味見程度だと真価は到底分かりません。ですが、アウトランダーPHEVは高い完成度の一端を垣間見ることができました。

充電した電力で約60km走行でき、最高速も120km/hに達するとなると高速道路に乗ってもEVとして走れるワケですが、短時間でも上質な走行フィールが印象に残りました。

アウトランダーの音・振動対策は、「ガソリン仕様<欧州向けディーゼル仕様<PHEV」の順、つまりPHEVが最も念を入れて施されているそうです。普段はEVで走行できる距離が長いからこそ時々かかるエンジン始動時の音や振動を抑え込むことに注力したといいます。

音と言えば、「ヒューン」というモーター走行時の音もかなり抑えられています。このモーター音は、前席よりも後席で聞こえやすいことに開発段階で気がつき、抑え込んだとのこと。

ですからアウトランダーPHEVは、モーター走行時の静粛性はもちろん、モーターをエンジンがアシストする「シリーズ走行モード」でも、エンジンがメインの「パラレル走行モード」でも音の存在は控えめに感じます。

バッテリーの残量によりますが、フル充電時だとエンジンが始動するのはEV最高速の120km/hがメドですから、その領域だとさすがにロードノイズや風切り音などの他の要因による音が大きい。しかしそのぶんエンジンの音も当然ながら気になりません。バッテリー残量が半分だと半分程度の65km/hくらいでエンジンが始動しますが、その速度域でも念入りの音振対策でほとんど気になりません。

パワーの面でも街中はもちろん、高速道路でもガソリン仕様で感じられた線の細さとは無縁。ガソリンよりも重くて低重心高ですから乗り心地も良好です。国産・輸入車を問わず、このクラスのSUVとしては、静粛性でもかなり上位に入ると思います。PHEVの走行フィールは、ガソリンのみのクルマとは違いますが、それでもV6、いやV8エンジンに匹敵するのではと感動さえ覚えました。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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