ハイブリッドカーを除くガソリン車において燃費性能トップを走るスズキ・アルトエコがマイナーチェンジでさらに進化、燃費性能を従来の30.2km/Lから33.0km/L(FWD・JC08モード)へと向上させています。33.0km/Lといえば、優れた燃費性能で知られるハイブリッドカー、トヨタ・アクアのメーカーオプション装着車と同値。もちろんプリウスの燃費性能(30.4~32.6kn/L)は超えています。
さらに、今回のマイナーチェンジでは4WDモデルも追加。こちらの燃費性能も30.4km/Lと優れたもの。寒冷地など4WDがクルマ選びの最低条件になっているエリアにおいてエコカーの選択肢が広がったといえそうです。
それにしても、従来型からガソリン車燃費性能ナンバーワンだったアルトエコは、どのようにして燃費を改善したのでしょうか。
ポイントは、スズキの次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」にあります。ワゴンRで採用された減速エネルギー回生機構「エネチャージ」や減速中であれば13km/hからエンジンを止める「新アイドリングストップシステム」、アイドリングストップ中でも冷房効果を維持する「エコクール」などを採用しています。タイミングチェーンの幅を狭くするなどエンジン・CVTのさらなる高効率化もはかっているということです。
さらに、見逃せないのは軽自動車という名前にふさわしく、車両重量をFWD車比で20kg軽量化して、710kgとしている点。リヤバンパーの形状変更により空気抵抗を低減する工夫もボディには施されているといいます。また、タイヤも燃費性能を重視したもの。空気圧は300kPaと高くすることで走行抵抗を減らしています。
そのほか、内外装ともにアルトエコ専用のデザインを採用しています。エクステリアでは専用デザインのフロントグリルに加え、シルバーのアクセント加飾に配しています。インテリアはライトグレーとブラウンを基調としたカラーリングで、標準のアルトとの差別化を図ったそうです。加えて、電波式キーレスエントリーやリヤシートヘッドレスト(ECO-Sグレード)の採用など、機能や装備をさらに充実させたマイナーチェンジとなっています。
発売予定は2013年3月4日、メーカー希望小売価格はベーシックグレードのECO-Lが90万円(FWD)、100万円(4WD)。装備の充実したECO-Sは100万円(FWD)、110万円(4WD)とわかりやすい設定になっています。
(山本晋也 )