北米トラック・オブ・ザ・イヤーのラム1500、その理由は8速ATにあった?

アメリカとカナダのメディアで活躍する49人の自動車専門ジャーナリストが選ぶ『North American Truck/Utility of the Year 2013(北米トラック・オブ・ザ・イヤー)』が発表されました。その栄冠はクライスラーのラム1500に輝いています。

新しいラム1500の特徴といえるのは、すぐれた燃費性能です。旧型に対して燃費性能が20%改善、25MPG(およそ10.6km/L)となっています。これは、北米市場で人気の高いピックアップトラック・カテゴリーにおいてトップレベルの燃費性能です。

その理由は、最新鋭の3.6リッターV6エンジン「ペンタスター」が主な要素と思えますが、じつはトランスミッションの貢献度も大きいといいます。

なんと、このピックアップトラックには、まだまだ高級車に限定された装備というイメージも強い8速ステップATが採用されています。そのATを製造しているサプライヤーのZF(ゼット・エフ)社によれば、この8速ATは、レシオカバレッジが広いためにエンジン回転数を低く抑えることができ、またアイドリングストップ・システムに適応した油圧系を有していること、そして高い伝達効率を実現したことにより、総合的に燃費性能を向上させているそうです。

国内向けの日本車においても、環境性能を高めるために、こうした高校率な多段ATの採用拡大が求められているといえそうです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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