一見してスーパースポーツカーでありながら、4WDであるクワトロの恩恵もあり拍子抜けするほど乗りやすいアウディR8。ほかのアウディ車らしく、いかに高性能であっても普段使いはあくまでジェントルに振る舞えるという、同ブランドらしい特徴を感じさせるモデルです。
とはいっても軽量アルミボディに4.2LのV8もしくは、5.2LのV10の強心臓を積むだけに、ひとたび踏み込めば圧倒的な加速と4WDならではのトラクションを味わえるわけですから、庶民はただ指をくわえて眺める憧れの存在でしかないわけです。
2013年モデルである今回のマイナーチェンジでは、従来のRトロニックシーケンシャルギヤボックスから7速Sトロニックトランスミッションへの変更が最大のポイント。同トランスミッションは、フォルクスワーゲンではDSGと呼ばれていますが、MT感覚のダイレクトな変速が瞬時に完了するという、現代を代表する2ペダルMTです。
これにより0-100km/h加速は、-0.3秒の4.3秒(V8)、3.6秒(V10)、3.8秒(スパイダー)とMTを凌ぐ加速性能と省燃費を実現しています。また、ブレーキも放熱性に優れたウェーブブレーキディスクを搭載するなど変更されています。
内外装も化粧直しが施され、エクステリアでは新開発のLEDヘッドライトやリヤコンビランプを採用し、フロントバンパーやミラー、エグゾーストノート、R8バッジも変更。インテリアでは、コンソールまわりにハイグロスブラックパーツを配置し、シフトパドルも新意匠が採用されています。
(塚田勝弘)