ボルボが世界で初めて量産ラインでディーゼルプラグインハイブリッドを生産開始

2011年のジュネーブモーターショーで発表されたボルボV60プラグインハイブリッドの生産が始まったと発表されました。

しかも、このV60プラグインハイブリッドは、通常の量産ラインを流れるという点において、世界初の量産ディーゼル・プラグイン・ハイブリッドといえる存在だということ。

発表によると、プラグインハイブリッドは通常のV60に対して、300点ほど部品点数が増えるといいますが、様々な工夫により、生産ラインにのせることに成功したといいます。

たとえば、バッテリーパックはテールゲートを上げた状態で室内へ入れ、室内で90度回転させて設置させるといった方法がとられているということです。

 

なお、V60プラグインハイブリッドは、フロントタイヤをエンジンで、リヤタイヤを電気モーターで駆動するパラレルハイブリッドシステムのプラグイン(外部充電)対応モデル。

フロントに搭載された2.4リッター5気筒ディーゼルターボの最高出力は215馬力、最大トルクは440N.mで、6速ATと組み合わされています。

一方、リヤに搭載されるモーターの最高出力は70馬力、最大トルクは200N.m。フロア下に収められたリチウムイオンバッテリーの総電力量は11.2kWh。満充電状態でのEV走行可能距離は、およそ50km。

欧州複合モードでのCO2排出量は48g/km、モード燃費でいうと1.8L/100km(約55.5km/L)に相当するという環境性能を誇っています。 

 

今回の量産ラインで製造するというニュースは、いまやプラグインハイブリッドは特別な少量生産モデルではなく、大量生産に対応したポピュラーなモデルになりつつある、ということをアピールしています。そのV60プラグインハイブリッドは、2013年に1000台を、2014年には4000〜6000台を生産予定といいますから、まさに量産ディーゼル・プラグイン・ハイブリッドカーです。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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